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ミステリの祭典

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不夜島

作家 荻堂顕
出版日2023年12月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 7点 びーじぇー
(2026/07/04 16:55登録)
舞台は与那国島。ある日、武庭純に顔なじみの警官から極秘の情報をもたらされる。日本が戦争に負けたという事実を受け入れられず、精神に異常をきたした元憲兵が殺人鬼と化し、何十人もの人間を殺害したあげく、島に上陸したというのだ。またミス・ダウンズなるアメリカ人女性が武の知り合いの子供に憑依する形で姿を見せ「含光」なるものを回収せよと彼に告げる。
戦争がもたらした支配・被支配の構図、アイデンティティと居場所の簒奪。機械の身体を持つ人間の背後にある史実は、台湾人仲間の楊や島人の玉城、武の身体をメンテナンスする医師の孤島先生、ナイトクラブ店主のトキコ、内地からやってきた毛利巡査など、武の周囲の人物像にも色濃く投影されているので、それらが引き裂かれる場面の緊張感に心が強く揺さぶられた。

No.1 8点 虫暮部
(2024/01/05 13:42登録)
 設定からすればSFだが、本質は終戦期の与那国島~台湾を舞台にしたハードボイルド・アクション。テンポ良く一歩進んで二歩沈む、みたいな成り行きに引きずり回されてしまった。物語を貫くのは、作品世界に深く潜って飲み込んだ泥を吐き出したような猥雑な生命力。敵味方が判り易いのは助かる。
 賭場船の場面。通信を阻害するテクノロジーはあるのに、賭場で使わずに主人公達のイカサマを許しているのは腑に落ちない。

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