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ミステリの祭典

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その罪は描けない
リディア・チン&ビル・スミス

作家 S・J・ローザン
出版日2023年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 びーじぇー
(2025/09/05 20:19登録)
ビルの旧知の画家、サム・テイバーが「最近ニューヨークで起きた二件の殺人事件の犯人は自分である、しかし記憶も証拠もない。自分が犯人であることを証明してくれ。」と依頼してくる。
物語は、美術業界の闇にはそう深く切り込まず、サムという個性の周囲の人間模様の洗い出しに焦点が絞られる。シリーズ全体の縦糸である主役二人の恋愛関係も、今回はあまり触れられない。調査過程で調べ上げた事実が、伏線へと転じて推理と真相解明は、事件周辺の人間関係の丁寧な解きほぐしと一体化し、ミステリとしての醍醐味を味わえる。

No.1 5点 YMY
(2023/12/21 22:26登録)
ニューヨークを舞台に、白人男性のビル・スミスと中国系女性のリディア・チンの二人の私立探偵が活躍する第13作。
ビルを訪ねてきた男は、殺人で服役し、仮釈放されたかつての依頼人。彼はビルに奇妙な依頼をする。最近起きた2件の殺人事件の犯人が自分だと証明してほしいというのだ。
風変わりなシチュエーションが忘れ難い。依頼人の有罪を立証するのだ。二人の探偵や奇妙な依頼人をはじめ、登場人物の個性が印象に残る。ミステリとしては真相に大きな驚きはないものの、ユニークな幕開けから解決までの流れは安定している。

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