| 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集 |
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| 作家 | イーデン・フィルポッツ |
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| 出版日 | 2023年11月 |
| 平均点 | 5.67点 |
| 書評数 | 3人 |
| No.3 | 4点 | E-BANKER | |
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(2026/09/13 11:42登録) 作者といえば、どうしても「赤毛のレドメイン家」の印象が強くなる。 ただ今回は落葉拾い的な短編集。バラエティに富んだ内容らしいが・・・どうかな? 原典は1920年代の発表が殆ど(全部?) ①「孔雀屋敷」=親族の老人が住む古い屋敷(孔雀屋敷ではない)を訪ねた主人公の女性。ある能力を持つ彼女は、ある日不思議な体験をする。それは、村に伝わる過去の殺人事件に纏わるものだった・・・。で、最後に捻りが待っている。 ②「ステパン・トロフィミッチ」=帝政時代のロシア。古く悪しき風習。若き英国人は何とかしようと奮闘するのだが、如何せん・・・。ただ、最後には横暴極まりない領主に天罰が下る。 ③「初めての殺人事件」=まるで、「初めてのお使い」みたいなタイトル。で、実際の中身も実はそんなテイストを感じた次第。これではミステリとは呼べんなー ④「三人の死体」=作者のことを熟知しているわけではないけど、あー作者らしい筋立て、道具立てだなあーと感じてしまった。観念的というか、宗教的っていうか。Whyに特化したことは良かった。 ⑤「鉄のパイナップル」=正直なところ????・・・。単にヤバイ奴じゃないの?コイツは! ⑥「フライング・スコッツマン号の冒険」=タイトルはロンドン~グラスゴー間の特急列車の名前。「冒険」っていう明るめの話ではない。もしかして最初期のトラベル・ミステリ?的な味わい、なのだが、まあご都合主義と言われても仕方ないかな。 以上6編。 ミステリの黎明期から黄金期前という時代背景。「短編でこそ」というプロットというよりは、長編未満の習作という雰囲気が濃かった。 「レドメイン家」ほどの作りこみや面白さを期待するのは「酷」だけど、ちょっと誉めるところに困る。 「作者って、こんな作品も書いてたんだねえー」という感想を持つために読む作品、という位置づけ。 (中では①かな) |
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| No.2 | 6点 | ことは | |
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(2024/07/14 02:03登録) 良くも悪くも、古き良きミステリかな。良くとるか悪くとるかは、読む人次第。 想像以上にトリッキーな部分が多く、それも含めて、古き良きミステリ。小説家としてのフィルポッツの地力は感じられる。 唯一「鉄のパイナップル」だけは、キャラの特殊性から、現代的に感じられる。 |
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| No.1 | 7点 | 人並由真 | |
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(2024/02/13 03:10登録) (ネタバレなし) 意外にも巨匠フィルポッツの、初の日本語での短編集だそうである。内容は独自に編集。そういえば確かにこの人の邦訳の単独書籍は、長編しか見たことなかった。 6編を収録。 以下、簡単に感想&メモ。 ・「孔雀屋敷」(1926年の短編集に収録) ……35歳の独身の女教師ジェーン・キャンベルは、デクオン州に住む彼女のゴッドファーザーで亡き父の友人だった85歳の古老ジョージ・グッドナイフ将軍の家で、休暇を過ごす。だがジェーンは近くの「孔雀屋敷」で世にも不思議な状況に出会う。 オカルト要素を仕込んだ奇譚風のミステリ。骨組みのしっかりした話で、なかなか。良い意味でおとぎ話っぽい。 あーそーいえば、確かにこれ、旧訳が「日本版ヒッチコック・マガジン」に載ってたな。たぶん読んでなかったけど(汗)。 ・「ステパン・トロフィミッチ」(1926年の短編集に収録) ……ロシア文学の短編風の物語。終盤でミステリに転調するが、それがなかなか鮮やかというか心地よい。猫への虐待描写が不快。 ・「初めての殺人事件」(1921年の雑誌初出) ……運命はふとしたことから……テーマのミステリ。なんかこれも、苦いおとぎ話を読むような面白さがあった。 ・「三人の死体」(1921年の雑誌初出) ……乱歩のアンソロジーに収録の「三死人」の新訳。そーいや、たぶんこれも読んでなかったなあ。「初めて~」路線の、当人は一本筋を通したつもりで、周囲に迷惑がかかる話……というか。足で調べまわり、真相に迫る主人公の描写と、終盤の(中略)。これもイケる。 ・「鉄のパイナップル」(1926年の短編集に収録) ……イカれた男のイカれた話。狙いはわからんでもないが、本書中では一番つまらなかった。フィルポッツのおなじみの主題っぽい? そうといえばいえるかもね。 ・「フライング・スコッツマン号での冒険」(1888年) ……小冊子の形で単独刊行された短編(短めの中編)だそうで、フィルポッツのいちばん最初の著作(著書)といえるものらしい。ディッケンズの世界のコンデンス版みたいな内容で、なかなか面白かった。 書籍一冊のジャンル的には「三人の死体」だけが、まあ「本格」といえるかで、これ(短編集まるまる一冊)なら「短編集(分類不能)」が適当だと思えます。 総じて、少年時代に学習雑誌の別冊付録で、ジュブナイルにリライトされた海外の名作に出会い、ああ、ミステリって面白い! と感じたころの初心的なトキメキに再会するような作品ばっか。 そういうのに何を今さら、的に価値を見出さない人(それはそれで健全だと思うが)にはあまり意味のない一冊かもしれん。でもね、私にはこの原石ゴロゴロみたいな感触が、とても心地よかった。 というわけで個人的には、予想以上に楽しい中短編集でした。100点満点で70点とか80点の意味合いでの7点じゃなく、二重丸とか花マルという意味での7点かもしれんけど、とにかくこの評点で。 同じ作者のこの路線の続刊も出てくれればいいなあ。 【2024年2月13日21時追記】 ジャンル分類の投票で、[ 短編集(分類不能) ]への改訂にご協力くださいました有志の方、ありがとうございました(大感謝)。 無事におかしくないジャンルになったので、本文を部分的に改訂いたしました。御了承のほどをお願いいたします。 |
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