| グレイラットの殺人 ワシントン・ポーシリーズ |
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| 作家 | M・W・クレイヴン |
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| 出版日 | 2023年09月 |
| 平均点 | 7.50点 |
| 書評数 | 2人 |
| No.2 | 7点 | みりん | |
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(2026/02/14 17:35登録) シリーズ4作目。安定して面白いし、700ページの長さだが無駄な描写があまりない。 今回は「MI5」という英国の暗躍組織が登場。日本の公安警察みたいなもの? 毎度犯人当て・動機の解明で終わらずに、犯人が判明してからの1対1での対決という劇的な展開に定評のある本シリーズだが、今回はそれに加えてMI5との諜報戦要素もあり。イギリス政府が隠蔽したかった秘め事がまるまる動機に繋がっており、スケールの大きい作品に仕上がっている。政治色もあり、英国民ならさらに評価は上がっただろう。 「ワシントン・ポーの出生の謎」というサイドストーリーがシリーズを通して着々と進んでいくのもシリーズ読者としては気になるところ。実はMI5はこのためだけに登場させたのでは? |
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| No.1 | 8点 | HORNET | |
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(2023/10/26 22:54登録) サミット開催が迫る中、要人輸送を担うヘリコプター会社の社長が売春宿で殺された。現場には犯人が置いたラットの置物が。捜査に当たったポー部長刑事とティリーは、同じ置物が3年前に起きた貸金庫強盗の殺人事件現場にもあったことを突き止め、その糸口から真相を探り出そうとする。全く関係のない場で起きた2つの事件のつながりは?単純な衝動殺人と思われた事件の背後には何があるのか?名コンビが今回も躍動する― 犯人からのメッセージ「グレイラット」が垂らした細い細い糸を、ポーの推理力とティリーの天才的情報技術で読み解いていく過程の面白さは相変わらず。今回は、端緒となった事件から過去の戦争、軍隊が関わる不祥事へと発展していく。人物の相関がちょっと複雑で理解が難しい部分もあったが、丹念に暴かれていく事件の背景と、そこから紡ぎ出される現在の真相は、非常に厚みがあった。 最後の最後に暴かれる「真犯人」。どんでん返しのための強引な飛躍はなく、しかし十分に意外。とはいえちゃんと推理の道筋が物語に仕込まれている。さすがだった。 本作は前作からの影響でフリンの登場はほぼなかったが、彼女の復職の知らせで物語が閉じた。次作もまた、楽しみだ。 |
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