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ミステリの祭典

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陰陽師 飛天ノ巻
陰陽師シリーズ

作家 夢枕獏
出版日1995年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2024/07/05 12:33登録)
 “あちこちの雑誌にちらほらと書いてきた” ものを纏めた成り立ちの為か。時代設定上あまり入り組んだエンタメ展開はしづらいのか。このシリーズはとても雰囲気があって面白いんだけど、二巻目にして早くもパターン化しつつあると言うのが正直な感想。
 後半ちょろっとリミッター解除した気配はあるものの、何処を守って何処で攻めるか様子見な感じ。一編ずつバラしてのんびり読むが吉。

No.1 7点 ALFA
(2023/10/07 09:33登録)
あとがきに作者は「ぼくの好きな、晴明と博雅の話の、二巻目である。」と記している。
この二人のホームズ、ワトソン関係はたしかにシリーズを通しての大いなる魅力。ツンデレキャラの晴明はまさにホームズ、一方の博雅はワトソンより存在感がある。武士とされているがこれは鎌倉以降のいわゆる侍ではない。平安貴族の武官という意味で、官位も晴明より上。太刀と笛の名手で、ピュアな人柄が晴明といいコンビになる。

二人の関係はかなり濃い。
「おれは晴明が好きなんだ。たとえ、おまえが、妖物であってもだよ。だから、おまえに刃なんか向けたくはない・・・俺に正体を明かすときにはだな、ゆっくりと、驚かさないようにやってもらいたいんだよ。そうしてくれるんなら、おれは、大丈夫さ。」(第一巻) 晴明が、冗談まじりに博雅を驚かせたときのセリフである。ブロマンスなどと言ってしまってはかえって趣を損ねるだろう。

この巻でのお気に入りは、可愛い怪異「天邪鬼」と、よく知られた逸話を織り込んだ「鬼小町」。7話からなる連作短編集。

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