home

ミステリの祭典

login
焰と雪 京都探偵物語

作家 伊吹亜門
出版日2023年08月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 びーじぇー
(2025/11/08 21:58登録)
舞台は大正時代の京都。元刑事の経験を生かした調査担当の鯉城武史と蒲柳の質ゆえ安楽椅子探偵的に推理を巡らす露木可留良が共同経営する鯉城探偵事務所には、さまざまな依頼が持ち込まれる。
鹿ケ谷の山荘に響く妖怪「うわん」の叫び声、惨殺された金貸しの老婆ミヨ松の幽霊の出現、背景にある哀しい情念が見えてくると、景色が一変。鯉城と露木、それぞれが背負った過去に胸が塞がる。ホワイダニットにこだわり続ける収録された五編は真実が人を救うとは限らないからこそ余韻が残る。

No.1 7点 まさむね
(2024/01/06 12:26登録)
 大正時代の京都を舞台とした連作短編集。警察を辞めて私立探偵となった鯉城武史と、伯爵の落とし子である露木可留良が事件の真相に迫ります。
 第一話「うわん」は、結構あっさりとした結末で多少肩透かし。でも読み続けるべし。第二話「火中の蓮華」、第三話「西陣の暗い夜」で人間の情念を示しつつ、読みどころは第四話の「いとしい人へ」。その流れでの最終話「青空の行方」もハードボイルドタッチで好印象。
 一般的なバディものとは一味違った味わいでした。6.5点を切り上げてこの採点。

2レコード表示中です 書評