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ミステリの祭典

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数学の女王
沢村依理子シリーズ

作家 伏尾美紀
出版日2023年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 猫サーカス
(2025/01/25 17:45登録)
北海道・札幌創成署の沢村依里子が道警本部付に異動早々、新札幌に新設され手間もない北日本科学大学大学院で爆破事件発生。沢村は何故か捜査一課の配属となる。事件は学長・桐生真宛に仕掛けられた爆発物によるものでテロ事件として公安も絡んでくるらしい。沢村たち特捜五係も待機するが捜査はなかなか進まず、遂に警察庁刑事局長直々のテコ入れがあり、五係にも特命捜査の命がくだる。沢村は班長として女性学長に会いに行くが、桐生は人の恨みを買うような人物ではなかった。大学院出身で博士号を持つ異色の刑事沢村の活躍を描いた警察捜査小説であるが、前半は捜査の進展より沢村の人事を含めた警察組織の動向が読みどころ。個性豊かな五係の面々のやり取りといい、様々な権力争いを背景にした人事劇の様相といい、差別感情露な男組織特有の嫌らしさといい読み応えがある。ミステリとしては、「ジェンダーバイアス」をキーワードにした巧みな誘導にしてやられた。爆弾テロものとしても迫力十分。

No.1 6点 みりん
(2023/09/09 15:16登録)
【ネタバレなし】
博士号を持つ異色のノンキャリ警察官・沢村依理子シリーズ
『北緯43度のコールドケース』で江戸川乱歩賞を受賞した伏尾美紀先生のシリーズ2作品目。書評がゼロなのが寂しいところ。

偉大なるドイツの数学者カール・フリードニヒ・ガウスは数論が美しい理論であるだけでなく、他の分野に役に立たないことから「数論は数学の女王である」と言ったそう。
美しさと孤高を兼ね備えたのが『数学の女王』、本作品のタイトルの由来はここから来てるのかな?しかし、数学に関する記述はとても平易で最低限に留められており、ガウスのガの文字も出てきません。よって、そちらを求める方にはあまりお勧めできません。どちらかというとジェンダーバイアスや理系の女性研究院の苦悩がテーマです。
作品内では1990年代の大学院の情勢ですが今でも院に進学する理系の女性は非常に少ないですよね。自分の所属する研究室は20人中たった2人です。リケジョって言うの失礼なのかな〜って己の発言などを内省する機会となりました。

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