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ミステリの祭典

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アンデッドガール・マーダーファルス4
<鳥籠使い>輪堂鴉夜

作家 青崎有吾
出版日2023年07月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 レッドキング
(2025/10/08 06:07登録)
生首美少女探偵シリーズその四は、主役トリオ「過去編」で、流れ的には「番外編」。
  「知られぬ日本の面影」 小泉八雲と「赤毛連盟」オマージュと妖怪ねたアクションと。7点
  「輪る夜の彼方へ流す小笹船」 如何に少女は「不死」となりし哉、の平安朝幻想譚、ロジック付き。6点
  「鬼人芸」 如何に落語マニアの不良孤児は半鬼となりし哉、の怪異浪漫冒険譚。(採点対象外)
  「言の葉一匙、雪に添え」 如何に不死少女は「生首」となりし哉、メイドの正体や如何、の鏡花風幻想譚。(同上)
  「人魚裁判」 生首少女探偵による、被告人魚の殺人冤罪をはらす無罪ロジック、見事。8点

第二~四編は、本格ミステリとは言えないが、こちらの方が面白い。特に、第三編は長編ロマン並みの充実感。
※はやく「その五(第六章 秘薬)」が読みたぁい!

No.1 7点 人並由真
(2023/08/18 07:47登録)
(ネタバレなし)
 テレビアニメ放映に合わせて刊行された、主要キャラクターたちのイヤー・ワン(あるいはエピソード・ゼロ)ものの中編集。
 
1:第1巻直前の、怪異がらみの事件
  (この話で探偵開業)
2:鴉夜の<誕生>編
3:津軽の<誕生>編
4:静句の素性編(そして……)
5:少女記者アニーと主人公トリオの出会い編

の5つの挿話が語られる。

 アニメで初めて本シリーズに出会う人も多いだろうし、そういう人にも、すでになじみのファンにも、このタイミングで本を手に取らせるには、うまい趣向の新刊というべきであろう。
(ちなみに全5本のうち、3と4のみが書き下ろし。あとはすでに雑誌に掲載。)

 純粋なパズラーは5のみだが、広がる世界観の興味、虚実の有名キャラクターの客演(いよいよ<中略>も劇中に登場)などの趣向で全編が面白かった。

 特に良かったのは、ぶっとんだ真実が明かされる2だろう。
(ちなみにAmazonのレビューは、現状で思い切りネタバレの嵐なので、絶対に見ないように。)

 5巻の予告も巻末に掲載。そう間を開けず、続きが読めると期待。

 しかしネタバレでもなんでもなく、ただの評者の妄想と思い付きでいうけれど、鴉夜って21世紀のこの現在の時代にも、ひそかにどっかにいるんだろね? 
 そのうち、作者のほかのシリーズ探偵の作品世界などに、しれっと客演してきそうである。

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