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ミステリの祭典

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屍衣の流行
キャンピオン氏

作家 マージェリー・アリンガム
出版日2006年09月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 蟷螂の斧
(2018/07/22 17:57登録)
女優ジョージアの恋愛関係を中心に物語は展開します。探偵役のキャンピオンの妹もそれに巻き込まれてしまいます。更に成り行きでキャンピオンの婚約者となってしまうアマンダも登場します。やっとやっと事件が起こりますが、死因がはっきりせず、もやもや感が漂います(苦笑)。ここまでの文章が高尚で読みにくいのが難点です。後半は気にならなくなりましたが・・・。ハウダニットでは、当時(1938年の作品)の検死の結果、犯人側からすれば成功となりますが、現在ではどうなんでしょう?。

No.2 7点 mini
(2016/11/30 10:32登録)
本日30日に創元文庫からマージェリー・アリンガム『「クリスマスの朝に」 キャンピオン氏の事件簿』が刊行される、登録する時にはちゃんと”キャンピオン氏の事件簿”までシリーズ欄じゃなくて題名中に織り込んでね、出版社側からすれば短編集である事を題名中に明示しているわけだからね
創元文庫からキャンピオン氏ものの短編集が出るのは3冊目で、まぁそういう仕事をしてくれる事に関してあまりケチは付けたくないのだが、その仕事ぶりは流石は創元編集部と言える反面、企画という観点からは私にとっての創元の嫌いな面も感じられるので今回も書きたい
私が創元という出版社の嫌いなところは、要するに編集部がその能力の高さで気をまわし過ぎる点なのである
何が言いたいかですって?、こういう事ですよ
昔その昔、浅羽訳で長編刊行を始める以前、創元のセイヤーズと言えば短編集が先だった、それも2冊もだ
そしてアリンガム、またしても長編を殆ど出してないくせに短編集がこれで3冊目、あっ、絶版の「反逆者の財布」が有るか、っていつの話だよ
アリンガムに関しては、長編刊行は論創社など他の出版社におまかせという意味なのか?、いずれにしても短編集だけ出してるのがいやらしいんだよ
え?何が言いたいのか分からんだって?言いたいのはですねえ
セイヤーズとかアリンガムですよ、まぁナイオ・マーシュには短編集が無いからね(笑)
つまりさ、これらの作家は英国色が強く、今ではセイヤーズも受け入れられているけど、おそらく刊行当時は日本の読者受けするか自信が無かったんだろ創元的には
だから短編集で様子を見よう的ないやらしさを感じるんだよ
分かる人には分かってもらえるよね、私の言いたい事
それと創元独自に編集しているんでしょ、まあね、アリンガムの短編集は原著自体が同じ短編が複数の短編集に収録されたりとややこしいんだけどね、”クイーンの定員”に選ばれた『キャンピオン氏他』にしても独自のオリジナル短編集じゃないみたいだし
その内にアリンガムの長編の刊行も検討しているんだろうか、例えば「屍衣の流行」の文庫化とか?、いやもしかして「手をやく捜査網」の新訳とか?

アリンガムには業界3部作とも言えるような中期の作が有って、「判事への花束」「クロエへの挽歌」そしてこの「屍衣の流行」である
ただ業界との関りが濃厚かというと、作中での描写という意味ではそれほど濃厚じゃない
セイヤーズの「殺人は広告する」に比べたら業界色は薄いと思う(笑)
逆に悪く言えばセイヤーズはやり過ぎとも言える、そういうところがアリンガムは良くも悪くも上品だと言われる所以なんだろうな

No.1 5点 nukkam
(2016/05/21 23:02登録)
(ネタバレなしです) 1938年発表のアルバート・キャンピオンシリーズ第10作は、「判事への花束」(1936年)、「クロエへの挽歌」(1937年)と共に業界を舞台にして「ミステリーと風俗小説の融合」を具現化した作品とされています。本書の場合はファッション業界ですが外面的な描写はそれほどなく、女優ジョージア・ウェルズを中心にした複雑な人間模様がたっぷりと描かれています。キャンピオン兄妹に加えて「甘美なる危険」(1933年)に登場したアマンダも活躍してなかなか賑やかです。ただミステリーのプロットとしては最初の事件は自殺ということで扱いがあっさりだし、第2の事件も一見事故死のため本腰を入れた探偵活動がなかなか始まらず回りくどく感じるかもしれません。それでも伏線は結構きっちりと張られていますし、巻末解説でベタ誉めしている「唯一無二」のトリック(某有名英国作家の有名作品に似た例があるのを解説者は失念しているようですが本書の方が先んじていることは確かです)も印象的で、本格派推理小説としてきちんと着地しています。

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