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ミステリの祭典

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ウェルテルタウンでやすらかに

作家 西尾維新
出版日2023年07月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 5点 文生
(2024/04/26 06:02登録)
町おこしのために自殺の名所をつくるという発想は非常に面白かったものの、そこからあまり話が膨らんでいかないのが良くも悪くも西尾維新です。
オチを含めて決して悪くはないのですが、シリアスな問題を含む今日的な問題をテーマにした作品としては掘り下げ不足に感じ、個人的には物足りなさを覚えました。
町おこしコンサルタントの生前没後郎(いくまえ・ぼつごろう)が狂気の町おこし構想を嬉々として語るところがピークかな。

No.1 8点 虫暮部
(2023/07/27 12:12登録)
 2011年、『少女不十分』発表――“この本を書くのに、10年かかった”。
 それに倣い “この本を書くのに、更に10年(+α)かかった” とでも謳いたいのが本書。
 自分が小説家を続けることに関する、言い訳、正当化、マイルストーン、矜持。かと言って決してありきたりな作家小説ではなく、全然別のエンタテインメントとして引っ張っておいて突如メタ化した叙述トリックの如く小説礼賛を滑り込ませるあたりは効果抜群、流石転んでもロハでは起きない売れっ子だ。

 「死なずに待っててあげるから」

 ちょっと恥ずかしくなるくらいの結末を二度も書くのだから、この人は自分が書き過ぎだと言うことについて愛憎半ばする自意識が絶ち難くあるんだろうな~と邪推する私である。と邪推させることを狙って書いているのかな~と言う気もちょっとする。

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