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ミステリの祭典

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そこにいるのに

作家 似鳥鶏
出版日2018年11月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 ことは
(2025/02/09 15:31登録)
短編ホラーでは、もはや斬新なストーリー展開はむずかしいと思う。そうなると、あとは見せ方、演出、描写で、いかにゾクリとさせるかだと思うが、本作は堂に入っていた。デビュー作を出版当時に読んでいた身としては、成長したなぁと感慨深い。(デビュー作は、まだ、だいぶ、こなれていなかった)
収録作でよかったのは「空間認識」、「労働後の子供」。
「空間認識」は、すこし有名ホラーを思い出す状況設定だが、描写がうまく、映像が目に浮かぶのがよい。
「労働後の子供」は、ひねりのあるまとめ方がよい。
あと、AMAZONによると、単行本と文庫本で、タイトルの異同がいくつもあるとのことなので、要注意。私は文庫本で読んだ。

No.1 7点 HORNET
(2023/07/15 10:56登録)
 写真を見るたび次第に近付いてくる、いるはずのない人の姿。帰り道にある2階の部屋で、毎日自分を見ている人影。いったん迷い込んだら二度と抜けられないY字路の迷路。まったく身に覚えのない、自分の不道徳な行為の動画アップロード…オールラウンダーなミステリ作家・似鳥鶏の、13のホラー短編集。
 ちょっとした中編レベルからショートショートの部類まで、雑多なサイズで並べられた短編集だが、「クママリ」というキャラクターが要所要所で出てくることで同一座標の物語っぽくなっている。
 一編目の「瑠璃色の交換日記」からなかなかよく、ホラーとしては「空間認識」「終わりの日記」が個人的に良かった。
 物語としては「労働後の子供」が一番好き。

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