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ミステリの祭典

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隠蔽人類
綾鹿市シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2018年04月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 ぷちレコード
(2023/10/10 22:42登録)
第一話の舞台は南米アマゾンの奥地。かつてアメリカの冒険家が一度だけ接触したというキズキ族を再発見しようと現地に向かった日本の調査隊の物語である。彼らはそれらしき民族との接触に成功し、調査も進めたが、とんでもないデータを検出してしまう。その後、首斬り殺人が発生し、という目まぐるしい展開の第一話は、消去法で殺人犯を特定していくミステリとして一応は決着するのだが、ラストが破壊的。
これをやって先が続くのかというほどなのだが、第二話であっさりと受け止め、密室を巡る謎解きに仕立て上げる。が、結末でまたも大いなる衝撃だ。第三話でクレッシェンドにクレッシェンドを重ね、第四話では驚愕の大ツイストが襲う。そして第五話の巨大なる衝撃。ホラ話って愉しい。

No.1 7点 メルカトル
(2023/05/12 22:23登録)
アマゾンの奥地に調査に向かった日本の研究者たちが、未知の民族を発見した。驚くことに、彼らのDNAはホモ・サピエンスとは大きく異なるものだった!別種の人類発見に沸く調査団だったが、研究者の一人が殺される。犯人はどうやら仲間の中にいるようで―!アッと驚く怒涛の展開で読者を翻弄するノンストップ・ミステリーの驚愕の結末とは!?
『BOOK』データベースより。

これは評が割れるでしょうね。相当な異色作な気がします。章ごとに本格ミステリであったりSFであったりファンタジーであったりします。そんな変幻自在な本作、私はかなり楽しませてもらいました。ただ賛否両論あってしかるべき作品だとは思います。一章目が終わり、次に行く段階でもう既に先が読めません。どんどん話が進展して思わぬ方向へと読者を誘います。一体最後にはどこに着地するのかも全く想像できません。

物語の根底には隠蔽人類(新人類)がテーマとして常にあり、そこだけは全くぶれません。次々に視点が変わり、だからと言って混乱するかと思えばさにあらず。一連の流れの様なものが確りしているので、例え作風が変遷して行っても読者を置き去りにすることはありません。
そしてラストは、これまた評価が分かれるところですね。それまでが一体何だったのかと云う位スケールが大きくなり、ある種のカタストロフィが唐突に訪れます。果たしてこれで良かったのかと大いに疑問に思いますが、オチとしてはそれしかなかったのかも知れません。

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