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ミステリの祭典

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野火の夜
木部美智子シリーズ

作家 望月諒子
出版日2023年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 HORNET
(2024/02/11 20:03登録)
 血まみれになった五千円札を大量に各所で両替し、刷新しようとしていた事件から、25年前の田舎町で起きた放火殺人の真相が紐解かれていく。なかなかのプロットのもと組み立てられた、よくできた物語なのだが…
 なぜか、非常に頭に入ってきにくい感じがあった。5千円札事件、豪雨の日の記者の死亡事件、池袋のビル下で起きた死亡事件、と複数の筋を行き来して話が展開し、さらには終戦後の満州の話に及ぶなどめまぐるしく場が広がっていくなど、頭がなかなかついていけなかったのが正直なところ。
 文章には力があり、人間描写も巧みだと感じるのだが、作中の情報の消化が追い付かず、作品本来のよさを感じきれずに読了してしまった感があった。

No.1 6点 虫暮部
(2023/04/07 14:29登録)
 プロローグを始めとして、非常に残酷かつ美しい場面が要所要所に配されており印象に残る作品ではある。
 しかしここまでとっちらかってしまうなら、ポイントを絞ってメインの事件だけにした方が良かった。本来関連の無い案件が木部美智子をハブにして交錯しているだけのような設定は効果が無い。
 12年前、記者の事故死は結局、純然たる事故? 大雨の中を出掛けて死んだジャーナリストの心情も曖昧なまま。25年目の偶然の出会い、はまぁ大目に見るか。

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