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ミステリの祭典

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時限感染

作家 岩木一麻
出版日2019年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2023/03/19 16:45登録)
 ヘルペスウイルスの研究をしていた大学教授の首なし死体が発見された。現場には引きずり出された内臓のほかに、寒天状の謎の物質と、バイオテロを予告する犯行声明が残されていた。猟奇殺人にいきり立つ捜査陣であったが、彼らを嘲笑うように犯人からの声明文はテレビ局にも届けられる。事件に挑むのは、警視庁捜査一課のキレ者変人刑事・鎌木。首都圏全域が生物兵器の脅威に晒される中、早期解決を図るべく、鎌木は下谷署の女性刑事・桐生とともに犯人の手がかりを追いかける。しかしテロは水面下で静かに進行していて――。標的は三千万人! 果たして、史上最悪のバイオテロを止められるか? 読者を眩惑する、怒涛のどんでん返しに二度読み必至。その完全犯罪は、誰にも止められない――。

 ウイルスを武器としたバイオテロ。潜伏期間が長いため、犯人が仕掛けてから事が起きるのに年単位のラグがあることが物語のミソ。加えて犯人の真のねらい、つまり「動機」の真相がラストに開陳されるところもなかなか考えて仕組まれていた。疾走感のある展開で、リーダビリティは高い。まずます楽しんで読めた。

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