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ミステリの祭典

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公爵さまが、あやしいです
行き遅れ令嬢の事件簿

作家 リン・メッシーナ
出版日2023年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2023/02/17 19:06登録)
(ネタバレなしです) 2003年デビューの米国の女性作家リン・メッシーナはファンタジー小説や歴史ロマンスなども書いていますがミステリー作品は2018年発表の本書が初めてです(舞台は19世紀初頭の英国)。それにしても本国ではベアトリス・ハイドクレア(Hyde-Clare)ミステリーとして知られるこのシリーズの日本語版を「行き遅れ令嬢の事件簿」とした出版社のセンスは大いに疑問符が付きますね(女性蔑視と批判されかねません)。頭の回転はとても早いのに内気な性格で損しているベアトリスと、もう一人の主人公のケスグレイブ公爵ダミアン・マトロックのやり取りが目を離せません。特に殺人現場で鉢合わせとなった第2章の面白さは出色です。ベアトリスの大胆な発想と大胆な行動、そして時に顔を出す弱気の虫の対照を大いに楽しみました。コージー派ミステリーに分類されますがコージーブックス版の巻末解説で「謎解き部分もしっかりと楽しめる」と紹介されている通りで、犯人の条件を羅列しながらの推理説明が印象的な本格派推理小説でもあります。正体が明かされた後の殺人犯の態度には驚かされます。

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