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ミステリの祭典

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公爵さまが、あやしいです
行き遅れ令嬢の事件簿

作家 リン・メッシーナ
出版日2023年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 ミステリ初心者
(2025/09/27 01:26登録)
ネタバレをしております。

 読みやすい海外翻訳物を探していきつきましたw コージーミステリと冠している小説を読むのは初めてかもしれませんが、ユーモアミステリとは何が違うのかよくわかっておりませんw 
 この作品も非常に読みやすい作品でした。内気だった行き遅れ令嬢ベアトリスが、公爵との出会いで大胆でキレる探偵へと変貌したのが印象的でした。ただ、尊大な公爵は私にはけっこう良いやつに見えて没個性でしたw てっきり、ベアトリスの推理が外れ、公爵が真犯人を指摘するという多重解決ものかと思いましたw 公爵はキャラも探偵度も普通でしたねw

 推理小説的にもなかなか楽しめました。
 本格推理小説におけるアリバイトリックや緻密なロジックのようなものはないですが、ベアトリスの調査が進むにつれて徐々に犯人の条件とヒントが明らかになっていき、解決シーンでは楽しめました。

 端正な推理小説とおなじく、雰囲気が明るく読みやすい推理小説もまた貴重な存在です。この行き遅れ令嬢シリーズや、この本に挿入されていたコージーミステリ紹介パンフの本は重宝しそうですw

No.1 6点 nukkam
(2023/02/17 19:06登録)
(ネタバレなしです) 2003年デビューの米国の女性作家リン・メッシーナ(1972年生まれ)はファンタジー小説や歴史ロマンスなども書いていますがミステリー作品は2018年発表の本書が初めてです(舞台は19世紀初頭の英国)。それにしても本国ではベアトリス・ハイドクレア(Hyde-Clare)ミステリーとして知られるこのシリーズの日本語版を「行き遅れ令嬢の事件簿」とした出版社のセンスは大いに疑問符が付きますね(女性蔑視と批判されかねません)。頭の回転はとても早いのに内気な性格で損しているベアトリスと、もう一人の主人公のケスグレイブ公爵ダミアン・マトロックのやり取りが目を離せません。特に殺人現場で鉢合わせとなった第2章の面白さは出色です。ベアトリスの大胆な発想と大胆な行動、そして時に顔を出す弱気の虫の対照を大いに楽しみました。コージー派ミステリーに分類されますがコージーブックス版の巻末解説で「謎解き部分もしっかりと楽しめる」と紹介されている通りで、犯人の条件を羅列しながらの推理説明が印象的な本格派推理小説でもあります。正体が明かされた後の殺人犯の態度には驚かされます。

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