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ミステリの祭典

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思い出列車が駆けぬけてゆく

作家 辻真先
出版日2022年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2023/09/18 20:32登録)
 鉄道好きで有名な辻御大の、鉄道ミステリ短編12編。発表順に掲載されており、1983年から2011年までの鉄道ミステリ短編からチョイスしたようです。印象的だった短編は1作目の「お座敷列車殺人号」と最終話「轢かれる」。つまり約30年の開きがあるわけで、その内容やタッチも対照的ということも興味深い。後半になるにつれて、〝人生〟を感じさせる作品が多くなっているような気がします。
 鉄分多めの私としては、旅情とか風景といった面だけではなく、鉄道をとりまく状況だとか「鉄道そのもの」を取り上げようとする作者の姿勢にも好感。作者らしい技巧とともに、感慨深く読ませていただきました。

No.1 6点 人並由真
(2023/01/17 18:06登録)
(ネタバレなし)
 大の旅行好きで鉄道マニアの作者の、これまで本になってなかった(または他の作家と組ませたアンソロジーにのみ収録だった?)鉄道や駅、路線からみの新旧の短編を12作集めた、とても嬉しい一冊。
 こういうのが文庫で出ると、なんか得したような気分になる。

 正直、ホビーとしての鉄道というジャンルには関心も知見も浅く薄い評者だが、それでも職人作家が幅広い裾野の受け手を相手にわかりやすくそして熱く語っているので、刹那的な感覚とはいえ、ほうほう……とそんな鉄道の話題や作品そのものに、それなり以上に引き込まれていく。

 良かったのは、ホックの短編パズラーみたいな『お座敷列車殺人号』。
 ある意味で、辻先生の一面をちょっと見直させていただいた『東京鐵道ホテル24号室』。
 まさかの連城作品みたいな(特定の作品と似ているとかではなく、作風の話)『轢かれる』
 の3本。

 ほかの大方の作品も悪くない~それなりに楽しめた。
 
 鉄道テーマに限らなければ、本になってない辻短編はまだ数冊分あるはずだそうで、その辺も書籍化してほしいが、まあ今回の本書の場合は、こういうワンテーマの上で、さらにバラエティに富んだ一冊だから楽しめた面もあるんだろうな、とは思う。

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