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ミステリの祭典

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教誨

作家 柚月裕子
出版日2022年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 HORNET
(2023/03/19 17:12登録)
 吉沢香純と母の静江は、女児2人を殺害した罪で死刑となった親戚、三原響子から身柄引受人に指名された。刑は執行され、遺骨と遺品を受け取ることになった香純たちだったが、その納骨先がない。何とか三原響子の実家に引き取ってもらおうとお願いするがうまくいかず、そんな中香純は、響子が刑の執行前に遺した最後の言葉を知る。「約束は守ったよ、褒めて」―約束とは何なのか、響子の罪の裏には何があったのか。幼いころの響子を知る香純は、その真相を解明すべく動き出す―

 事件の背景にあった罪人の事情やいきさつを追求する、ホワイダニット的な物語。三原響子が子供時代に受けていたいじめや、田舎に根強く残る家柄差別など、さまざまな要素が絡んだ一人の女性の人生が浮き彫りになる。「約束」の中身を知ったとき、守りたかったもののあまりの小ささや、縛られた価値観に、身につまされる思いになる。
 柚月裕子らしい題材と描き方で、入り浸って読んでしまう一作。

No.1 5点 文生
(2022/12/16 10:34登録)
8歳の愛娘と近所の5歳の少女を殺害して死刑を宣告された母親の心の内を、関係者の証言から紐解いていく展開はよくできています。しかし、最後に明らかになるのは死刑囚の心の真実にすぎず、ミステリー的などんでん返しがあるわけではありません。どちらかといえば文学小説に近い作品です。一種のホワイダニットものといえなくもないですが、ミステリを期待すると、どうしても物足りなさを覚えてしまいます。作品自体は良作といってもいいと思います。

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