home

ミステリの祭典

login
推理の達人 あの名探偵と知恵比べ
改訂版『5分間ミステリー 容疑者は誰だ』

作家 新保博久
出版日1991年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 蟷螂の斧
(2022/12/23 09:08登録)
改訂版「5分間ミステリー容疑者は誰だ」45作品で拝読。8点3作品、7点4、6点7、5点16、4点11、3点4 
①ウンザリ―家の女(ウィチャリー家の女) 8点 母親が旅行中に脳溢血で死亡。その土地の老医師が死亡診断書を書く。遺体が家に到着すると娘も脳溢血で死亡。担当医が死亡診断書を書く。自然死ではなく殺人だ・・・トリックは宮原龍雄氏の作品 
②下を見るな(上を見るな) 8点 作家の菅尾音子は昔のヌード写真を餌に恐喝された。写真は胸を腕で隠し下は丸く切り取ってあった。切り取ったのは恥ずかしいからである。恐喝者はレイプされ殺害された。犯人は音子というが・・・これは笑える 
③新生殺人事件(刺青殺人事件) 8点 姉夫婦の家に妾として同居する妹。姉妹はよく似ている。妹は背中に刺青を入れている。その妹が妊娠した。姉は不妊症であった。姉が殺害され胴体だけがなかった。入れ替わりか?・・・動機 
④血の死角(血の収穫) 7点 麻薬の売人が拳銃を口にくわえて死亡。組織の命令で殺害された。歯医者は歯形から本人と確認・・・甘党 
⑤カミさん殺し(構想の死角) 7点 プロパンガスは風呂場の排水口だけから出るように細工。他の排水口はある方法で塞いだ。風呂に入った夫人を酸欠で殺害する計画であった・・・ゴロンボ誕生秘話 
⑥サンタクロースを探せ(レイチェル・ウォレスを探せ) 7点 父親が3Fに上がり誰も来るなと命令。息子がサンタの扮装で大きな袋を抱え玄関ドアから入ってきた。そのまま3Fへ行き父親の死体を発見。プレゼントには父親の分がなかった・・・サンタは誰 
⑦グリーン毛殺人事件 7点 叔母の相続人は2人姉妹。彼女たちは叔母を銭湯に連れて行き体を洗うなどサービス。その時叔母は心臓発作で死亡。湯船にはグリーンのスポンジが浮いていた・・・殺害方法 

No.1 6点 メルカトル
(2022/12/12 22:13登録)
殺人事件が発生した?犯人は誰だ?兇器は?動機は?それ、現場に急げ!さあ、キミはこの難事件を解決できるか。密室殺人、トリック、完璧なアリバイ―。キミも名探偵になれるか、それとも迷探偵か?思いきり頭をひねって、とっておきの50問に挑戦してみよう。
『BOOK』データベースより。

問題編と解決編に分けられた50の本格短編集と言うか、推理クイズ。これだけ多いとどうしても問題編の方が凝縮されているので、急ぎ足の感が否めません。よってすんなりと頭に入って来る様な読み易さが不足しています。折角トリックが優れているのに勿体ないなと思わないでもありませんでした。とは言え、やはり玉石混交であり目新しいトリックばかりとは言い難いものがあります。密室、バラバラ死体、アリバイ、ダイイングメッセージなど様々なトリックが仕掛けられていますが、残念なのは多くが海外の探偵のパスティッシュであり、国内の名探偵ものがあまりに少ない事ですかね。

最も好ましかったのは高木彬光の某名作を叩き台にした『新生殺人事件』でした。50問の中で一番ストーリー性や背後関係があり、意表を突いた動機にも驚きを禁じ得ません。
海外の古典的名探偵はほぼ網羅されており、それぞれの作家の作風を生かした問題となっています。流石は新保教授、破格の読書量と記憶力は大したものだと思います。尚各短編にはそれぞれ元ネタの作者名、探偵名、代表作が明示されています。

2レコード表示中です 書評