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ミステリの祭典

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わたしの名は紅
別題「わたしの名は赤」

作家 オルハン・パムク
出版日2004年11月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2023/01/05 23:08登録)
(ネタバレなしです) YMYさんのご講評でフーダニットと紹介されていたので、本格派推理小説好きの端くれとして興味を抱いて読みました。オルハン・パムク(1952年生まれ)は2006年にトルコで初のノーベル文学賞を受賞した文豪で、1998年発表の本書は代表作の1つと評価されています。ハヤカワepi文庫版で上下巻合わせて800ページを超す大作というだけでも敷居が高いのですが、作中時代が16世紀末のオスマン・トルコ帝国、そして西洋画を異端とする社会背景のもとに発展した細密画に関する説明や描写がびっしりです。難解なので細密画関連はほとんど読み飛ばしてしまいましたが、この読み方だと絵師殺しの謎解きがさっぱり楽しめない作品でした。歴史と美術と宗教に通じてないと理解できないなんて読者に求める教養が高すぎでは(涙)。作者は自作にミステリー要素を加えるのを好んでいると公言していますが、あくまでもスパイス的な扱いに留めているように感じます。語り手が次々に交代するプロットですが、犬、木の絵、色(赤)など人間でない語り手も混在しているのがユニークです。冒頭では被害者(既に死体)も語ります。

No.1 5点 YMY
(2022/12/02 23:07登録)
十六世紀のコンスタンティノープルを舞台にした、トルコの歴史ミステリ。
フーダニットで、容疑者は二人に限定される。章ごとに語りの視点が変わり、殺人者の章もあれば、容疑者の章もある。容疑者三人は細密画師なのだが、彼らの細密画に対するスタンスの違いを理解することで、殺人者もわかるという作者からの挑戦が感じられる。

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