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ミステリの祭典

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うさぎの町の殺人

作家 周木律
出版日2022年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2022/11/17 12:10登録)
 酷な言い方をすると、葵がしつこく探り続けたから人死にが増えたのである。最初から彼女を殺すか、尋ねることを尋ねた後すぐ解放していれば良かった。
 何故監禁したのか → エピローグで示唆された事柄が事実で、コンタクトする手段が監禁しかなかったなら、それは哀しく且つ気持悪い。

 以前に比べれば小説として良い意味で柔らかくなった気はするが、心情の機微みたいな部分はやはり苦手なのか。だとしたら、真相がああいう方向に向かうのも、得意分野で勝負しようと言う必然かもしれない。“二重三重の安全策” が裏目に出て同士討ち、の皮肉さをもっと強調したほうがいいのでは?

 ラスト前では、偽情報を流して無関係な人を囮にしてるよね。しかもその人は事情を知らないので、命を救われたと感謝している。酷いマッチポンプである。

No.1 6点 フェノーメノ
(2022/10/07 19:04登録)
タイトルからはコード型本格のような印象を受けるが、どちらかというと閉ざされた町を舞台に主人公父娘が次々に危機に襲われるサスペンスタイプの作品、という印象。
最後に明かされる真相にしても本格のそれではなく、また別ジャンルの方向に行ってしまっている。少なくともタイトルから想起するような作品ではない。好みの方向からはだんだん逸れていったが、とはいえそれなりに楽しめはした。

こんなタイトルだが、正直うさぎがあまり関わってきていないのは気になる。最後まで読めばある種のメタファーになっているのは分かるが。

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