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ミステリの祭典

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魔王の島

作家 ジェローム・ルブリ
出版日2022年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 人並由真
(2022/09/25 07:13登録)
(ネタバレなし)
<本章の第一部の途中までのあらすじ>
 1986年11月。フランスの片田舎。小規模の地方新聞で働く女性記者で美人の娘サンドリーヌ・ヴォードリエは、公証人を介して、会ったこともない母方の祖母シュザンヌがノルマンディー周辺の孤島で死んだという知らせを受け取る。祖母の遺品の整理のため島に渡ったサンドリーヌは、そこで第二次大戦の後に起きた、ある悲劇を知った。やがて彼女は、当時、島に潜んでいた謎の魔物「魔王」が現在もこの島にいると知る……!?

 2019年のフランス作品。今秋の文春文庫が、なにやら鳴り物入りで売っているので、気になって読んでみる。

 第一部の筋立ては、なんかフランスの『八つ墓村』みたいなムードで、ふーんと思いながらサクサク読み進むが……。

 ……ん、まあ……これこそ、あんまり何も言わない&書かない方がイイ作品の筆頭だわな(大汗)。

 約470ページを3時間ちょっとで読んだ。とんでもない加速感だ。
 で、最後まで読み終えて、ある意味じゃ限りなくアンポンタンでトンチンカンな作りと実感(笑)。

 でもミステリなんていう遊戯ブンガクのジャンルの中には、本当にごく時たま、こーゆー種類の<飛距離が成層圏まで届くような、特大ファールな作品>があってもいいんだ、とも思う(笑・汗)。万人におススメは絶対にできないけれど、その意味では首肯。

 気になった人は、早めにとっとと読んでしまうことを推奨。
 読み終えた人同士で、確実に話のネタにはなる作品でしょう。

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