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ミステリの祭典

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怪盗フラヌールの巡回
返却怪盗シリーズ

作家 西尾維新
出版日2022年09月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 7点 メルカトル
(2023/09/07 22:14登録)
亡き父親の正体は大怪盗だった――!? 長男の「ぼく」は、傷ついた弟妹と愛する乳母のため二代目怪盗フラヌールを襲名。持ち主にお宝を戻す“返却活動”を開始する。次なる標的は、天才研究者が集う海底大学。忍びこめたかと思いきや、初代怪盗フラヌールを唯一捕らえたベテラン刑事と、新世代の名(ウルトラ)探偵が立ちはだかり、不可能犯罪まで発生! 二代目怪盗フラヌールは、数多の謎を解き明かし、任務を完遂できるのか!? 衝撃の怪盗ミステリー、ここに開幕!
Amazon内容紹介より。

久しぶりに西尾維新の本格ミステリを読みました。『クビキリサイクル』を読んだ時の衝撃を思い出しながら、一寸感傷的な気分になったりして。まず今さら怪盗と云うのはどうなのかと思われる向きもあるでしょうが、それには深い訳があります、色々と。それらを一々論うのはネタバレにもなり兼ねませんので避けます。
不満があるとすれば、やはり女名探偵の存在ですかね。思わせぶりな言動ばかりで何もしないじゃないかと。もみじまんじゅうばかり食べていて、これはネタなんですかね、ボケなんですかね。

作風としては、本格ミステリのど真ん中のストレートと思わせておいて、実はストンと落ちるフォークだったみたいな感じです。新味はないものの、様々なギミックを駆使して読者を欺こうという意気込みを感じます。結局そういうオチかとも思いましたが、途中ダレルことなく読ませ、読後感も悪くないのは作者の力量だと思いました。個性と個性のぶつかり合いも読みどころのひとつでしょう。

No.1 9点 虫暮部
(2022/09/09 12:20登録)
 こんなことを言っていいのかどうかわかりませんが、ちゃんとやればまだ出来るじゃないか、って感じ。舌先三寸で引き伸ばした、なんて言わせない。
 相変わらず痛い人の描写は抜群で、うっかりそれに絆されてしまう危険性高し。トリックにも関わるちょっと特殊な事件現場が具体的にイメージしづらかったのは遺憾。

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