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ミステリの祭典

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青春の証明
証明シリーズ

作家 森村誠一
出版日1978年07月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 斎藤警部
(2026/01/30 01:40登録)
「あら、ジョン・デンバーが来日するらしいわね」
「なに、ジョン・デンバーだって!?」

ウーン熱いぜ森誠。 語るぜ森誠。 澄ました顔してギラギラだぜ。
三家族、大戦を挟み二世代、それぞれの理由で青春を奪われた者たちの復讐劇によるカットバックは、早々に激しく絡み合い、予断の轍をキリキリと逸脱する。 キーワードは 「卑怯者」 。 ミステリの場では◯つの殺人と、◯つの××が発覚。 戦争、病、歌、バイク、車、山、川魚に山菜、老刑事、不良少年、築地の料亭。

××動機を巡るミスディレクションには振り回されたが、独特にも程がある結婚動機には驚いた。 流石の森村誠一だ。  
◯つの、全く意趣の異なるダイイングメッセージと、それぞれが果たすストーリー上の役割は興味深い。
ジョン・デンバーの◯や◯◯の件は、面白いけど、実際どうなんだかなと思いますが・・

「今は日本が、国の歴史はじまって以来の暗黒の時代にある。 こんな時代に死んではならない。 いつまでもトンネルはつづかない。 いつかは必ず抜けられる。 それまで生きのびるんだ」

中盤からふつふつと奔出し始め、終盤に至ってあからさまな暴走を仕掛ける偶然という名の運命(デスティニー)。 だが、意外な線から物証を繋いで真相暴露に至るシンプルなパス切りが気持ちよく、そんな筆の無茶をも許してしまわざるを得なかった。
一見意味不明風な最終章タイトルの意味が赤々と明かされる足早のくだりは熱かった。

それにしたって、最後の対話シーンで、まさかの大オチが暴露されるとは ・・・・ なんたるイリュージョン ・・ そのイリュージョンの浮力で頭が宙を舞ってしまうではないか。 結末の切なさに、別角度からトドメの一撃 ・・ のように見えて、その一方で熱い◯◯と、やはり切ない◯◯ ・・ やってくれるではないか。

“その後は、どんなに語りかけても、夫の返事は戻ってこなかった。”

No.1 5点 文生
(2022/08/21 08:37登録)
暴漢に襲われていた自分と恋人を救おうとした警官を見殺しにした贖罪として自ら警察官となって事件を追い続ける老刑事の話です。
証明三部作第2弾なのですが、著者の代表作でもある『人間の証明』や『野性の証明』と比べるとあまりにも地味。これだけ映画化されていないのもうなずけます。ただし、著者の脂が乗っていた時期に書かれた作品だけあって人間ドラマとしてはそれなりに読み応えあり。また、証明三部作といいながらもそれぞれ全く異なる作風であることから、続けて読むとギャップ的な面白さが味わえるかもしれません。

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