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ミステリの祭典

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AI法廷のハッカー弁護士

作家 竹田人造
出版日2022年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 猫サーカス
(2024/05/21 18:03登録)
舞台は、裁判官が人間から偏見を持たず正確に正義を執行するAIへと置き換わった近未来。「不敗弁護士」と呼ばれる機島雄弁は、ある事件で弁護を担当した青年・軒下智紀に秘密を握られたと思い、結果として彼を雇うことになる。彼らは近未来社会ならではの難事件の数々に挑んでいく。今のAIについて懸念されている現実の問題が作中に数多く登場する。機島はそうしたシステムの穴をついてAIを欺き、勝訴を手にする弁護士なのだ。正義を司るのは、AIと人間のどちらであるべきか。本作が提示する問いはリアルでシリアスだが、登場人物たちのコミカルな掛け合いは楽しい。人間はこれから先も自らが生み出した技術に振り回され続けるだろうが、機島の底抜けのポジティブさは、そんな宿命をも笑い飛ばす元気を与えてくれる。

No.1 6点 虫暮部
(2022/07/16 12:03登録)
 個別のエピソードとしての前半2ケースが面白かった。主人公に反感を抱かせつつ引っ張るセンスはなかなか。ブッチャーカバー(笑)。架空のシステムを設定した上でその隙を突いているわけだから、フェアプレイもヘチマもない、その意味ではあくまでSF。

 全体の構造がよく似た作品を最近読んだような、アレはI氏の近作だったか、模倣と言うことではなくて、連作長編のパターン(最終話で伏線回収する奴)が飽和したその先、って感じで、もしかしてこういうセカイ系もどきが今後増えるのだろうか?

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