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ミステリの祭典

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ケンカ鶏の秘密
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグ

作家 フランク・グルーバー
出版日2022年06月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 人並由真
(2022/08/10 06:32登録)
(ネタバレなし)
 またもほとんど文無しになったジョニーとサム。そんなとき、ジョニーは湖で自殺しかけているかに見えた娘を止めた。人助けの半面、あわよくば彼女の実家なりなんなりから何かお礼でもと期待したジョニーだが、相手の娘ロイス・タングレッドは特にジョニーに感謝するわけでもなく、むしろ失敬な態度をとる。ジョニーはロイスが放置した高級車の車内から、何かいわくありげな鳥の羽根を見つけるが、これがやがて思わぬ事態に繋がっていく?

 1948年のアメリカ作品。
 本文200ページちょっととジョニー&サムものの中でもかなり薄めの方ですぐに読めるが、ハイテンポで語られるストーリーはそれなりの見せ場を用意。サクサク頁をめくれる反面、まあまあの満腹感がある。
 ただし終盤の謎解きは意外な真相の一方、これまでのストーリの中で評者のような読者が疑問に思ったいくつかの箇所をすっとばしてそのまま終わらせている感じで、決して出来のいい作りではない。
 ただそれでもトータルとしてはそこそこ楽しませてもらったので、評点としては少しオマケしてこのくらいで。

 しかしこの頃は、この程度の(中略)でも(中略)のネタになったんだね。純朴な時代だ。

No.1 4点 nukkam
(2022/07/09 09:02登録)
(ネタバレなしです) 1948年発表のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズ第11作のユーモア・ハードボイルドです。今回は死体発見現場にはいましたけど発見者ではないし他にも大勢の人がいたので事件への巻き込まれ度合いはこのシリーズとしては低い方だと思いますが、第6章でジョニーが「面白半分にあちこち歩いて、人に話を聞いているだけです」ととぼけている内にどんどん深みにはまっていきます。話のテンポがよくてスラスラと読めるし闘鶏までもが入り乱れての終盤のアクションシーンはなかなか盛り上がりますが、解決は度を越して強引に感じます。謎解き伏線は十分でなく推理説明の整理もできておらず、たとえ本格派推理小説を意識していないで書いたとしても真相がわかりにくくて疑問点も残るのは読者として困ります。

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