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ミステリの祭典

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蒼い鳩殺人事件

作家 馬場信浩
出版日1994年08月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2022/06/29 09:26登録)
(ネタバレなしです) カッパノベルス版の「著者のことば」で「私の精魂を傾けた一編です」とアピールしている1994年発表の本格派推理小説です。鳩の寺として知られる鎌倉の禅寺で密室状態の庵(いおり)で般若の面をかぶった女性の全裸死体と一羽の鳩(こちらは生きてます)が発見されます。庵がラブホテル代わりに使われていたり、幻のブルーフィルムが脚光を浴びたりと通俗的な要素が強いです。どちらかといえばハードボイルドか官能サスペンス向きの題材に思えますが、警察の捜査が暗礁に乗り上げてラグビーライターの浅川の捜査が中心となる後半からは複雑な人間模様の描写に力が入ります。弱者が虐げられる過去の悲劇も容赦なく描かれており、これはこれでありだと思いますが謎解きの面白さは犠牲になっていて、読者を選びそうな作品です。密室の謎解きも長らく放置された挙句に駆け込み式に解明されますが、そもそも密室にする必要性があったんでしょうか?

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