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ミステリの祭典

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聖林輪舞-セルロイドのアメリカ近代史

作家 島田荘司
出版日2000年06月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 9点 Tetchy
(2008/11/02 22:08登録)
ノンフィクション物だが、作品一覧にノミネートされていたので遠慮なく感想を書こう。

これはアメリカを彩った伝説のスター、政治家、大富豪、凶悪犯罪者の島田流伝記。タイトルの「聖林」とは「ハリウッド」の漢字表記。
これがやたらと面白い。
島田の練達の筆の冴えもその要因だが、やはり何といっても現在の世にも名を轟かせている希代の著名人たちの、一般人とはかけ離れた人生劇場が物凄く面白いのだ。

恐らくこの作品は『ハリウッド・サーティフィケイト』を書くための基礎になったことだろう。

ハリウッド、この特殊な街、いや特殊な世界が訪れるものを狂わせる。人生の半ばはそれが与える栄光で金銭的、性的幸福を得られるかもしれない。しかし、末路は皆一様に人の数倍も不幸である。今日もハリウッドでは誰かが金に酔い、誰かが不幸のどん底に陥っているのだろう。

No.1 6点 テツロー
(2003/03/29 01:02登録)
 小説ではなくエッセイ集。ハリウッドで活躍した人物をドキュメンタリー風に書いた物。
 「秋好事件」「三浦和義事件」のように、実際の事件に対する考察の話もある。「トマス・インス殺し」や「マリリン・モンローの死」「チャールズ・マンソン事件」「O・J・シンプソン裁判」などの話がそう。
 月刊誌連載エッセイだったこともあって、一回の文量が限られていて、淡々と描写が進む展開が却って読みやすいと思う。割と面白かった。
 「龍臥亭事件」の「津山三十人殺し」の挿話も、この程度で収めてくれてたらなぁ、などと考えてしまった。

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