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ミステリの祭典

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残酷依存症

作家 櫛木理宇
出版日2022年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2023/02/03 22:30登録)
サークル仲間の三人が何者かに監禁される。犯人は彼らの友情を試すかのような指令を次々と下す。互いの家族構成を話せ、爪を剝がせ、目を潰せ。要求は次第にエスカレートし、リーダー格の航平、金持ちでイケメンの匠、お調子者の渉太の関係性に変化が起きる。さらに葬ったはずの罪が暴かれていき......。殺るか殺られるかのデスゲームが今始まる。
Amazon内容紹介より。

うーん・・・『殺人依存症』の続編には違いないんですが、そっちじゃんないんだよなって感じで。私の勝手な願望をよそに物語は好まない方向に進んでしまいました。前作よりもストーリーの広がりが感じられず、絡み合う人間関係みたいなものも薄く、こちらの方がワンランク落ちる感触を覚えました。

前作で主役だった浦杉がなあー。私としてはどういった形であろうとも、決着を付けて欲しかったですね。まあ更なる続編が描かれるのなら、そちらで白黒はっきり付けて頂きたいと思います。
タイトル通り残酷描写は前作といい勝負でしょうが、どちらが心に突き刺さるかとなるとやはり『殺人依存症』の方です。何だか今回は全体の構図が逆転してしまって、それが面白いという人もおられるでしょうし、こちらを先に読んだ人は多分単体で十分楽しめたのではないかとは思います。ただ個人的には『殺人依存症』の方が好みです。

No.1 5点 HORNET
(2022/05/04 20:55登録)
 大学生・乾渉太は、ツレの航平、匠とともに宅飲みの最中、買い物帰りに何者かに襲われた。気が付けば宅飲みをしていた隠れ家の浴室で、両足の親指と小指を切断されて監禁状態。何が起こったのかさっぱり分からないながらも、こんな目に遭う原因には心あたりがないこともない…

 「殺人依存症」から続けて読んだが、相変わらず遠慮のない残酷描写。冒頭の渉太は当初被害者でありながら、次第にその悪行と人間性が暴かれ、ろくでもない大学生であることが分かってくる。が、冒頭の描写からだいたい予測できる雰囲気ではあった。
 何年か前の「スーパーフリー事件」を題材として得られた着想により描かれた作品で、一般的に受けやすいとも言え、良くも悪くも素人目線といえる。サクサク読めてストレスはないのだが、特筆すべき秀逸さもないかな。
 「殺人依存症」よりはこっちのほうがよかった。

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