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ミステリの祭典

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泳ぐ者
徒目付(かちめつけ)・片岡直人

作家 青山文平
出版日2021年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 ALFA
(2023/12/05 15:37登録)
徒目付片岡直人を主人公とする長編。
連作短編集「半席」から数年後、30歳近くなった直人が関わる三つの話。
離縁された女が元の夫を刺殺した件、大川を泳いで渡って切り殺された男の件、上司内藤から持ち掛けられる海防の話。

それぞれが無関係のまま終わる。ミステリ長編としては纏まりがいかにも悪い。
切り分けて連作中編に仕立てたらさぞいい作品になっただろう。
メインテーマである直人の内省的な物語も、そのほうが流れが良くなったのではないか。

No.1 6点 猫サーカス
(2022/02/28 18:49登録)
扱う事件は、離縁して三年半たつのに、なぜ女は前の夫を刺したのかという謎Aと、毎日決まった時刻に大川を泳ぐ男がいるが、それは何のためなのかという謎Bの二つ。謎Bからはさらに、不敵な笑みをもらして男が殺されるという謎Cも浮上し、一段と奥が深くなる。Aを探ると思いがけない家族のありようが、Bを追うと過去にさかのぼる凄惨な大量殺人事件が浮かび上がり、おのずとCの意味が見えてくるという仕掛けで、実に緊密に作られていて驚く。深い罪と悔恨という主題が、Aの後日談とともに片岡直人の苦い自己発見へとつながるのもいい。いささか謎解きに終始していて小説としての厚みがもう一つのところもあるのだが。

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