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ミステリの祭典

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いつものBarで、失恋の謎解きを

作家 大石大
出版日2021年05月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2022/04/02 15:01登録)
 馴染みのバーでオーナー兼ママに過去の失恋を話す綾。同席していた初老の男が社会学や心理学を基に、すれ違いの原因を推理する…というスタイル。驚きの展開はないけれども、平成に流行した歌や時事ネタも織り込まれているので、懐かしさとともに読み進められました。
 ちなみに、個人的には綾の失恋話よりも、オーナー兼ママ・みひろの若かりし頃の思い出の方が、しんみりとして良かったかな。

No.1 7点 まだ中学生(仮)
(2022/02/22 22:14登録)
31歳の会社員、大谷綾は平成最後の日、バーのママを相手に「私っていつもこうなんです。好きな人や恋人ができても、必ず今日みたいに、男性がたいした理由もないのに急にへそを曲げちゃって、理不尽な形で関係が終わっちゃうんです」とこぼす。
彼女の口癖は「意味わかんない」。打ち明け話をカウンターの隅で聞いていた男が「ホーソン実験をモデルに考えれば答えが導き出せるかもしれません」と、話の細部を拾い、振られた理由を見事に解き明かす。
男はそんな風に、小5の初恋から現在に至るまでの不可解な失恋話を、心理学の諸理論を使ってさばいていく。平成を代表する事件事故やヒットソングが散りばめられたそれぞれのエピソードが、作品後半から一つの大きな物語にまとまっていくのが面白い。

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