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ミステリの祭典

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夜葬

作家 最東対地
出版日2016年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 たかだい
(2025/02/10 12:57登録)
日本ホラー小説大賞の読者賞を受賞した作品
ミステリー要素も含むホラーはチラホラ読んでいたが、この手の純粋なるホラー小説となると久々な気がする
死者の顔を抉って地蔵の顔に埋め込み、顔のない遺体に供物を詰めて弔う
なかなか衝撃的な土着信仰に基いた怪奇現象を描いた作品で、過去の似た傾向の作品を挙げるとすれば、かの名作「リング」がストーリー展開としても近いだろうか
個人的には古き良きジャパニーズホラーのテンプレに則った良作だと思った。純粋なホラーが久々で、新鮮に感じられたのもあったかも知れない
話にスピード感もあって、グロさと怖さも程よい作風で読み易いホラー小説だと思います

No.1 5点 HORNET
(2021/11/23 19:47登録)
 限界集落“鈍振村(どんぶりむら)”では、死者の顔をくりぬき、くりぬかれた顔面に白米を盛り、親族で食べわけるという葬送の風習があった。顔を抜かれた死者は“どんぶりさん”と呼ばれるという。そんな異常な因習が紹介されたコンビニ本“最怖スポットナビ”。それを手にした者のスマホに意味不明のメッセージが届く。メッセージが届けば、もう逃れられない。自分を目的地としたナビが勝手に起動し、自分の顔をくりぬきにやってくる―。第23回日本ホラー小説大賞・読者賞受賞作。

 いわくつきのモノに接した人間が、次々に恐怖の対象になるという、日本ホラーのテンプレートのような展開だが、”どんぶりさん”というおぞ気をそそるエピソードや、疾走感のある展開など、ホラーとしてエンタメ的にはよくできている。
 ただ、さまざまなレビューで評価が低いのは一重に、妙に描写達者を気取ったような、鼻につく修辞のせいかも。既に何作品も出している作家なのに、書評しようと思ったら「作家登録」もされていたなかったことから、本サイトでの評価も低いのかも。
 確かに、文達者気取りの安っぽさを感じる描写は多々あるが、雰囲気を感じることを主としたホラーとして気にせず読めば悪くない。少なくとも私は「#拡散忌望」は読んでみようかなーと思っている。

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