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ミステリの祭典

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ウィンディ・ストリート
ヴィク

作家 サラ・パレツキー
出版日2006年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/10/26 20:49登録)
文庫本で700ページを超え、タイムリーな社会派テーマ性を持った『ブラック・リスト』に次ぐ、ヴィク・シリーズの第12作は、その前作より100ページほど短い(それでも約630ページ)、またハードボイルド系ではありふれた事件背景の作品でした。その分パレツキーには珍しく、構成的に多少工夫を加え、プロローグに派手な放火事件を置いて、その後いったん過去に戻るといった手法を使っています。
しかしこの作品の魅力は、ヴィクが事件に関わるきっかけになった出来事、彼女が母校で、バスケット部の臨時コーチをすることになる点でしょう。女子高校生が何人も登場し、特にそのうちの1人は事件に直接関係することになります。さらに敵役企業社長の孫であるビリーが加わり、小説に若々しさを与えています。
邦題は前作と違い、原題("Fire Sale")とは全く異なるもの。「ウィンディ」って何のことだか。

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