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ミステリの祭典

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怖ろしい夜

作家 西村京太郎
出版日1986年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 まさむね
(2023/08/27 17:36登録)
 タイトルに「夜」が含まれる6作品を収録した短編集。各短編の初出は1960年代から1970年代まで。トラベルミステリ偏重前の西村短編に以前から興味があり、手にした次第です。
 特筆すべき「何か」があるものではないのですが、スッと興味を引き付ける出だしの巧さは流石です。
 「見せ方は違うけど、確実に同じ発想の下で書いたよねぇ」と感じた2作品の初出を比べると1ヵ月しか違わなかったとか、色々と興味深かったです。

No.1 5点 E-BANKER
(2021/10/02 09:12登録)
200編を遥かに超えるという作者の短編作品。その中で、「夜」という単語がタイトルに含まれている作品を集めた文庫オリジナルの作品集。
1986年に角川文庫で編まれたもの。

①「夜の追跡者」(「月刊小説」1978年6月号)、②「怠惰な夜」(「別冊宝石」1967年8月号)、③「夜の罠」(「オール読物」1967年1月号)、④「夜の牙」(「小説宝石」1976年10月号)、⑤「夜の脅迫者」(「読切特選集1964年8月号)、⑥「夜の狙撃」(「小説の泉」1964年7月号)
ということで、かなり初期の作品から比較的初期の作品が並んでいる。

いつもなら、ひとつずつ短評を書くわけなのだが、うーん。今回はいいかな・・・
短編らしく、事件が急に起こって、急に解決して、っていう展開が目立つ。よく言えば「短編らしい切れ味」だし、悪く言えば「全く喰い足りない」っていう評価になるのだろう。

しかし、作者も1930年生まれってことは・・・今年91歳!? 作家生活も凡そ60年ってことになる。
いやいや、やはりすごい作家ではないか。
先日、たまたま見たBSの番組で氏がゲストに出てたけど、スムーズに受け答えしてたもんなぁー
いまだ「書く」意欲に溢れるなんて、一体どういう頭と体なんだろう?

正直なところ、「西村京太郎」という作家は最初の5年くらいで完成したんだろうと思う。その頃は、斬新なアイデアや奇抜なプロットの作品を連発していたわけだし、リーダビリティも十分だった。
で、たまたま出した「寝台特急殺人事件」が望外にヒットした。これがいけなかった(もちろん、作者的には「良かった」のであって、私個人の感想で)。
作者の「腕」をもってすれば、この「トラベルミステリー」なんて、赤子の手をひねるかのように、作品を量産できたのだろう。そして、折からの旅行ブームがそれに乗っかることになった・・・

だいぶ脱線してしまいました。本作も決して悪い出来ではありません。もう安心して頁をめくれます。保証します。
(個人的には最初期ともいえる⑤⑥が好み。因みに初期は「京子」という女性が度々出てきます)

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