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ミステリの祭典

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指切りパズル
綾鹿市シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2021年09月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 メルカトル
(2022/07/05 23:12登録)
人気の動物アイドルユニット・チタクロリンのミニコンサート中におきた指切り事件。
そこからさらに連鎖する指切断事件。嘘つきは誰だ!

綾鹿市動物園で行われるチタクロリンのコンサート。予想以上の集客で混乱する中メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。
チーフ警備員の古林新男は綾鹿署の刑事・谷村の聴取に応じるうちになし崩し的捜査に協力していく。
そして関係者次々に襲われて指を切断される事件が続いていく。
Amazon内容紹介より。

最初の事件の犯人?はレッサーパンダ。その後を追うように矢継ぎ早に次々と指切り事件が起こり、もう何が何だか分からない状況に陥りました。熟考する暇もなく読まされて、一体誰が何の為に指を切断していくのか、その事で頭が一杯でおそらくその間に伏線が張られているんだろうなとは思っていましたが、こんな事になっていようとは。

真相は最後に一気に明らかにされ、それは正しく圧巻でした。アイドルユニット、チタクリに関係する人々、舞台である動物園の関係者を巻き込んで繰り広げられる惨劇はとても端的に語ることは出来ません。ネタバレに繋がりかねませんしね。
それにしても、誰も彼も指を切断されたというのに早期に仕事復帰し、随分タフだなと思いました。なまじ殺されずに身体の一部を欠損してしまっただけに、却って背中がぞわぞわする感覚がしましたね。

No.1 7点 HORNET
(2022/04/25 21:13登録)
 綾鹿市動物園で、”動物アイドルユニット”を冠する地下アイドル「チタクロリン」のコンサートが行われた。チーフ警備員の古林新男は混乱による事故が起きないよう、職務に力を入れる。ところがそんな最中、ユニットメンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られる大事故が。不運な事故と思われたが、その後関係者が次々に指を切断される事件が続いていく。
 指切断事件が次々と起きていくという猟奇的な展開の中で、それぞれの事件で微妙に不可解な点が累積されていき、ラストにすべてが解決される、きれいな本格ミステリと言える。各事件で違う指が切断されている点にもきちんと理由があり、なかなか作りこまれた作品だと感じた。

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