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ミステリの祭典

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ブックキーパー脳男
脳男

作家 首藤瓜於
出版日2021年04月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 SU
(2024/01/28 21:11登録)
警視庁が異常犯罪データベースを整備する過程で、三件の殺人事件の共通事項が発見された。それが示すところは愛宕市。中部地方では名古屋に次ぐ大都市だ。そしてこの愛宕でも新たな殺人事件が発生。他の三件同様、拷問の痕がある。現地に赴いた警視庁の警視・鵜飼縣は、県警の茶屋警部とともに捜査を進める。
いくつもの悪意や欲望が絡み合う複雑な事件であり、登場人物も多い。しかしながら、それは作者にとって適切に整理されており、しかも物語の推進役である鵜飼も茶屋も突進力のあるキャラクターである。新鮮な着眼点による調査で意外な事実に着地する妙味もあれば、アクションの冴えもある一気に読ませてくれる痛快作だ。

No.1 8点 虫暮部
(2021/06/22 12:51登録)
 八合目までは寝食を忘れて読み進んだが、結末に大きな驚きが無く以下次号とはぐらかされた気分。続きが出るならいいけど大丈夫?

 厳しく見るなら――連続殺人の目的である権力の源について、理屈としては判らなくもないが、ソレを持っていれば強いよなぁとの実感は得にくい。
 “誰々がいった。”が連続する地の文とか、もう少し工夫を。
 計算せずに風呂敷を広げて膨れ上がってしまった感じ。キャラクターが話を引っ張るのではなく、話の展開に合わせてそれに必要な奇人を新たに登場させる本末転倒な感じ。但し、御都合主義があまり気にならない得な空気感を備えてはいる。
 
 第二章。死者のうち一人(茶屋警部並みの巨漢)は現場に出入りするだけで大変そう。地下室の構造に関する伏線かと思ったが違った。うーむ。

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