泣くなメルフィー |
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作家 | カトリーヌ・アルレー |
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出版日 | 1964年01月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 6点 | 人並由真 | |
(2021/08/03 15:12登録) (ネタバレなし) 10年以上前、25歳年上の大富豪ピエール・モレスティエを交通事故の怪我がもとで失った美しい女性メルフィーは、莫大な遺産を相続したのち、夫の側近だった16歳年下の美青年フランク・ザンジルと再婚した。メルフィーの財産は夫婦共同の管理下に置かれたが、フランクは並外れた才覚でもともとの資産をさらに増やして、現在のメルフィーとフランクは巨万の富を持つはためには円満な夫婦だった。そんなメルフィーも今では57歳。毎日ホルモン剤を注射し、最高級の美容術を用いて美魔女的な美貌を誇っていた。そんなメルフィーは、少し前から今は41歳のフランクが、現在29歳の才色兼備の美人テッサと2年前から不倫関係にあるのをうすうす察しながらまあ仕方がないと看過していた。プライドが高く気の強いメルフィーは、表向きは同性の仲の良い友人として自分の地所にテッサを迎えるが、ひそかに盗聴器と録音機を仕掛け、夫とその情婦の秘めたやりとりを探ろうとする。するとそこから聞こえてきたのは、自分を殺そうとフランクを煽るテッサの物言いだった。 1962年のフランス作品。アルレーの第六長編。 2時間ドラマになりそうな話で(実際に翻案されて映像化されていたようなおぼろげな記憶があるが、定かではない)、良い感じに起伏に富んだ話は21世紀の今でも十分に多くの人を楽しませると思う。 一方でその上で、トータルである種のスタンダード感を受け手に抱かせる面もあり、その意味では半世紀前の新クラシックだな、という印象もある。 後半の女対女の闘いを主軸にした三角関係のドラマはなかなかのテンションで、ジェンダーの組み合わせは違うもののマガーの名作短編「勝者がすべてをえる」を思わせる部分もあった(どっちの作品にも、ネタバレにはなってないハズ)。 ラストの余韻は、創元推理文庫で合本にされた優秀作『黄金の檻』には及ばないものの、意外にそちらのそれに食い下がるような興趣で、予想以上に良かった。さらっと何か一冊就寝前に読みたい、そしてそれなりの手ごたえを得たい、そんな日には、とても手頃な長編であろう。 |
No.1 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2021/06/20 20:04登録) 裏表紙より~『16歳も年下の男と結婚したメルフィーは50も半ばすぎて若い夫に恋人ができたことを知った。しかもその二人は彼女の財産をねらって、ひそかに殺害の計画をたてている。この事実を知ったメルフィーは逆に巧妙きわまる完全犯罪を立案して反撃に転じる……』~ 女性同士の駆け引きなどがあり、読んでいてけしてつまらなくはないのですが・・・。ありふれた題材でそれなりのオチと言ったところですかね。 |