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ミステリの祭典

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毒島刑事最後の事件
毒島シリーズ

作家 中山七里
出版日2020年07月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 HORNET
(2021/11/23 20:14登録)
 題名から、毒島シリーズこれで終わりか?と思ってしまいそうだが(そうかどうかはわからないが)、少なくとも本作は前作「作家刑事毒島」の前日譚、一度刑事として退職するまでの話。そういう意味での「毒島刑事最後」。
 毒島が小説家になる前の、純粋な刑事時代の話なので、前作のように出版関係に限った事件集ではない。唯一それに近いのが二編目の「伏流鳳雛」で、これは近いというより「作家刑事毒島」の焼き増しのような雰囲気(事件の様相は違うが)。といっても、前作が好きだった私はむしろそれが面白かった。
 本作は連作短編で、全編を通して犯人を操っている「教授」の正体を最後に暴くことになる。これは中山作品によくある構図なのだが、主犯が属犯を洗脳して意のままに操るということが、ちょっと現実離れしすぎていて素直に頷けなかった。どんでん返しを意図しすぎてちょっと無理がある話になっていないかなぁ。
 本シリーズが今後も続くのなら、出版関係を舞台にしたフーダニットで、毒島の毒舌が炸裂するという、普通の短編のほうがいいかな。

No.1 6点 蟷螂の斧
(2021/05/28 16:19登録)
裏表紙より~『刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。犯人を追うことに何よりも生きがいを覚え、仲間内では一を話せば十を返す能弁で煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃……。捜査の中で見え隠れする<教授>とは一体何者なのか?かつてない強敵との勝負の行方は――。手に汗握るノンストップミステリ!』~
4つの事件が発生し犯人は逮捕される。しかし、その背後に「教授」と名乗る人物が見え隠れする。証拠もなく殺人教唆の罪で逮捕できるのか?。刑事毒島には犯人を自白させるしか手段がない。彼の毒舌は調書にそのまま書けない(笑)。

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