home

ミステリの祭典

login
雪に撃つ
道警シリーズ

作家 佐々木譲
出版日2020年12月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2022/08/09 14:51登録)
雪まつりを迎えて観光客で賑わう札幌の街で、警官たちが遭遇する複数の事件が同時に進行する。盗まれた自動車、釧路から家出した少女、住宅街での発砲事件。互いに何の関係もなさそうな事件が、やがて一つに繋がっていく。
派手な要素は無く、主人公たちが事態を解決しようと奔走する過程が語られる。抑制された静かな物語だが、登場人物たちの心情はしっかり描かれ、苦難に巻き込まれた人々にかける言葉も心に残る。

No.1 7点 HORNET
(2021/05/15 19:16登録)
 翌日から雪まつりを控える札幌。盗犯係の佐伯と新宮のコンビは、自働車窃盗事件の捜査に。機動捜査隊の津久井卓は、住宅街で起こった発砲事件の現場へ。一方、生活安全課の小島百合は家出少女が札幌に向かっているという電話を受け、動く。

 それぞれの管轄で動いている案件が、やがてつながりを見せ、一つに収束していくというのは本シリーズでもはやパターン化しているといってもよいが、そこに強引さは感じられず(それらに佐伯、小島、津久井が上手いこと関わるという点はあるが…まぁシリーズものだしそれは物語として当然)、相変わらず巧みな展開。ただ、3本の線が入れ代わり立ち代わり描かれるので、混乱しやすいというのはある。
 本シリーズの複線として、佐伯と小島の関係の進展もあるのだが、ラストにはこちらにも展開があり…
 やや複雑な本作ではあったが、シリーズ愛好者としては満足。

2レコード表示中です 書評