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ミステリの祭典

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贄の夜会
大河内茂雄と強行犯七係

作家 香納諒一
出版日2006年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 zuso
(2024/07/13 22:24登録)
謎のサイコキラー、プロの殺し屋、そして捜査一課の刑事。様々な過去を持ち、心に闇を抱えた三者の物語が別々に進み、最後にまとまっていく。それでいて最大の謎である猟奇殺人の黒幕については結末近くまで隠し通しており、ミステリとしての魅力が高い。
展開が広がるため、冒頭こそ多数散漫な印象を受けるが、ボリュームの割に登場人物が厳選され、じっくり書き込まれた造形に深みがある。特に中盤以降の大河内刑事と目取真渉の内心の葛藤や人生への覚悟などは強く印象に残る。

No.1 5点 猫サーカス
(2021/04/28 18:53登録)
都内で「犯罪被害者家族の集い」に参加した二人の女性が、残虐な方法により殺害される事件が起こった。ひとりは両手首を切り落とされ、もうひとりは後頭部を石段に何度も叩きつけられていた。一匹狼として事件を捜査する刑事が主人公となり、正体のわからない不気味な敵と対決していく。作中、ある弁護士が過去に起きた少年猟奇事件の犯人だったり、被害者の夫がプロの殺し屋であるなど、ハリウッド映画のような大胆な設定が導入されている。だが、詳細に描かれている警察捜査の実態はもちろんのこと、主要人物それぞれの過去から日常生活に至るまでが実写的に書き込まれているため、単なる荒唐無稽な犯罪小説にとどまっていない。フィクションとしての厚みがあり、しかも多視点によるスピーディーな展開と迫真の活劇場面が続く。エンターテインメント性の高いサスペンス。

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