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ミステリの祭典

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激突!

作家 リチャード・マシスン
出版日1973年03月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 人並由真
(2021/12/31 04:57登録)
(ネタバレなし)
『激突!』
……いま読むと、まんまスティーヴン・キングだな。というよりキングの方がこの中編から少なからず影響を受けている感じがする。そーいや、出てくる大型トラックの通れる幅広道路の脇の「愛玩動物霊園(ペット・セマタリー)」。

『狂った部屋』
……強烈な表題作に続けて読んでも、ちゃんと差別化された味わいのサイコホラー(またはオカルトホラー)なのに感心(短編集を編纂し、作品の配列を考えた小鷹信光の手腕にも刮目)。ある意味、『激突!』よりも面白かった。
 
『屠殺者(スローター)の家』
……解説には『地獄の家』の原型的な作品、とあるが、幽霊屋敷という大枠以外、あまり関係なにような(それぞれの主人公たち、その立ち位置も違うし。幽霊屋敷の文芸設定も異なる)。どことなく危険な感じを匂わせる若い主人公兄弟の造形もいい。そして後半に出てくる(中略)も印象的。

『蒸発』
……作家志望の中年になりかかった妻帯者が残したノート。そこには……。現実か? 妄想か? 読み手を幻惑のなかに誘う一本。本書を読んであらためて思ったが、マシスンの中短編はなんとなくいつも考えていた以上に、とてもテンポが良い。本作は本書の中でもその点で筆頭かもしれない。
 ところでこの話、旧作の白黒版『ミステリー・ゾーン(トワイライト・ゾーン)』で映像化されてなかっただろうか?

『不吉な結婚式』
……なんかシャーリー・ジャクソンの『野蛮人との生活』に通じるような、日常の生活の場でのオフビートなコメディ(話のネタそのものは、結婚と結婚式という、人生の区切りの大きなイベントだが)。先の4本のあと、こういうハナシを持ってきた小鷹信光のセンスが光る。

 あっという間に楽しみながら読み終えてしまった。やっぱ改めて、絶頂期の短編作家としてのマシスンは手堅い。

No.1 7点 蟷螂の斧
(2021/04/22 18:33登録)
①激突! 8点 スピルバーグ監督の「激突!」(1971年)の原作。映画は、ほぼ原作どおりで2、3のエピソードが追加されていたように思います。あおり運転をするタンクローリーのドライバーが不気味です。このプロットを考え付いた者勝ちといった感じ
②狂った部屋 5点 怒り易い男が妻や家具などに当たり散らす。その結果・・・ホラー系
③屠殺者の家 6点 ゴースト・ストーリー。若い女性(肖像画)の性的な誘いがあるところがユニーク
④蒸発 7点 妻が消え・・と言っても普通の蒸発ではない。ラストはなんとも言えない余韻。SF系ホラー
⑤不吉な結婚式 7点 彼は木曜日の結婚式は悪魔のせいでダメという。悪魔の迷信を信じる彼は花嫁の「抱き上げて敷居を超えて」に対し・・・笑えるショート・ショート

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