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ミステリの祭典

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黒後家蜘蛛の会4

作家 アイザック・アシモフ
出版日1985年11月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 ボナンザ
(2014/04/08 17:07登録)
鮎川哲也の解説が印象的。
私はなぜか4だけ後になって読んだので、てっきり三番館ってこれの影響を受けたものだと思っていた。
作品自体はいつも通りだが、飽きがこない程度にはおもしろい。

No.2 5点 E-BANKER
(2013/06/27 22:17登録)
安楽椅子型探偵シリーズとしてお馴染みの本シリーズの四作目。
六名の正規メンバーと真の探偵役たる給仕人のヘンリーが織り成す大いなるマンネリズムが今回も展開される。

①「六千四百京の組み合わせ」=本シリーズでは頻繁に登場する暗号モノの一作。ただし、暗号を解く鍵は相変わらず日本人にはキツイもの。こんなことまで分かるなんて、ヘンリーって超人か?
②「バーにいた女」=見知らぬバーで出会った美女が、男たちに囲まれ助けを求めている・・・なんて状況に遭遇した男。こんなとき武士道、いや騎士道精神に溢れる男ならこういう態度に出るが、しっぺ返しに遭う。
③「運転手」=科学者たちの集まる、あるシンポジウムが開催される町。依頼人たち専属の運転手が巻き込まれた殺人事件。これも英語-ロシア語間の相違が事件を解く鍵となっている。(このパターン多いよね)
④「よきサマリア人」=女人禁制の「黒後家蜘蛛の会」。その禁を破る女性(老婆だが)の依頼人が登場する本作。NYの危険エリアで不良たちから救ってくれた男を探す女性のために人肌脱ぐヘンリー。この解法も日本人には無理だな。
⑤「ミカドの時代」=著名な戯曲家ギルバート・サリバン(?)。彼のある戯曲の時代設定をめぐって二人の若者が起こしている諍いが本編の謎。謎の鍵は「閏年」にあるのだが、ヘンリーが指摘した真相は根本的なものだった。
⑥「証明できますか?」=初めての国に旅行し、見知らぬ街中で巻き込まれたいざこざ。身分を証明する一切のものがないまま、警察官に自分の身上を証明できるか? 冒頭に出てきたある“小物”が作者のうまい仕掛け。
⑦「フェニキアの金杯」=今回もダイニング・メッセージならぬ、残されたメッセージが何を表しているのかが謎の鍵となる一編。このパターン多いな! そして、今回も言語にまつわるちょっとした仕掛けがヘンリーにより開陳される。
⑧「四月の土曜日」=これもメッセージと言語に関する謎。これも日本人には馴染みのない話なのだが・・・
⑨「獣でなく人でなく」=エドガー・アラン・ポーを愛する女性が発する言葉が今回の謎。とはいっても、ミステリー作家としてのポーではなく、詩人としてのポーを知っているかどうかが鍵となる。
⑩「赤毛」=これは一種の人間消失を扱った一編。燃えるような赤毛を持つ妻を追って、とあるレストランへ入った夫だが、わずかの時間に妻が忽然と消えてしまう。でも、この真相はかなり脱力もの。そこ、最初から探せよなぁ・・・って思う。
⑪「帰ってみれば」=へべれけに酔って自宅に帰り着いたと思った男・・・だったが、見知らぬ男たちが只ならぬ雰囲気で話している最中だった! いったいどこへ帰ったのか? 酒ってコワイね。
⑫「飛入り」=これも④同様変化球の作品。ゲストの依頼人ではなく、突然飛び込んできた男による依頼をメンバーとヘンリーが解決する一編。でも、パターンは一緒。

以上12編。
さすがにシリーズ四作目ともなると、同じパターンの繰り返しが気になってくる。
作者としては、いろいろと変化を付けてきているのは分かるのだが、プロット自体のキレが鈍ってきたのは否めないかな。
まっ、それでも楽しい読書ができることは確か。
(どれも水準級という感じで、突出した作品はなし。あと、鮎川哲也による巻末解説が興味深い。「三番館シリーズ」って本シリーズの影響を受けてないんだなぁ・・・)

No.1 7点 こう
(2008/10/26 23:18登録)
 この作品集では個人的には「帰ってみれば」が面白かったです。また「赤毛」は小噺みたいですがアシモフのあとがきににやりとさせられます。どちらかというと日本人にはわからないアメリカ人むけのクイズの様な作品が増えていますが日本人としてはアシモフの博識に感心するしかないかな、と思います。

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