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ミステリの祭典

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サクラオト

作家 彩坂美月
出版日2021年01月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 7点 ミステリーオタク
(2026/03/25 21:38登録)
 四季それぞれを舞台にした情景描写豊かな6つの作品からなる短編集。

 《サクラオト》 春
 面白い心理ミステリだと思うし、理屈づけも共感はできないがよくできていると思う。大筋は途中で見えるがエンディングは・・・・どうだろう。

 《その日の赤》 夏
 この話の姉弟と近い年代の姉弟の子供がいる自分には結構来るものがあった。

 《Under the rose》 秋
 いわゆる「同窓会モノ」と言っていいと思うが、これはちょっとねー・・・あり得なさすぎる・・ここまでのある話と共通するものだが、これがこの作者の感性であり永遠美学なのだろう。

 《悪いケーキ》 冬
 これもねー、まぁ何というか「推理」小説とは言えないが、極めて根拠の乏しい思いつきとそれに合わせた御都合展開で娯楽小説としては悪くない。

 《春を掴む》 春 
 これは・・う〜ん・・・・手の温もり・・
 子供時代の話が終わった時、残りの長さが怖かった。

 Extra stage 《第六感》
 なるほど・・・そういうことか・・
 相変わらず推理はかなり強引だがよく練られてはいる。


 第五話まで全て・・・おっとこれ以上は言わない方がいいだろう。

 良くも悪くもこの作者の、先行きの不透明感が強く、心理的にややエキセントリックに感じられるエピソードも多い上で、非常に読みやすい独特の作風が味わえる短編集だと感じた。
 

No.2 7点 まさむね
(2025/05/06 18:50登録)
 五感(聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚)をテーマにした5編に加え、最終話で「第六感」を扱う連作短編集。
 結構イイですよ。ミステリとして突き抜けた何かがあるとは言えないまでも、青春ミステリとして鮮やかで沁みる短編も。1作前の「向日葵を手折る」に通じる巧さを感じました。こうした年代・雰囲気が得意なのかもしれませんね。締めとなる最終話についても、個人的にはプラスに評価したい。良い連作短編を読ませていただきました。

No.1 6点 ことは
(2023/12/31 01:42登録)
初出を参照すると、時間をあいて書かれている。そのせいか、後の作にいくほど描写がうまくなっている。特に第5話の導入はなめらかな語りで、かつ、緊迫感があり、実にいい。
しかし、個々の作品のプロットについては、強引さが感じられ、現実感のある作風との違和感があり、少しのれなかった。強引さのため、(最終話で自身で書いているくせに)「キャラクターと行動に齟齬があります」という状態になっている。
例えば3作目では、普通の人に感じられる視点人物が、いきなり探偵役をつとめるので、二重人格かと感じられるほどだ。やはり、ホームズ/ワトスン・システムはよくできているのだと、実感した。
全体の仕掛けも効果はいまひとつ。丁寧に伏線がはられているが、それでも納得感が足りない。
文章表現は、よいと思ったので、作品はチェックしていこうと思う。ひょっとしたら、仕掛けと表現がかっちりはまった「これは好み」という作品を書いてくれるかもという期待はある。

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