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ミステリの祭典

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夢遊病者の姪
ペリイ・メイスン

作家 E・S・ガードナー
出版日1956年01月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 弾十六
(2018/11/04 08:37登録)
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第8話。1936年3月出版。ハヤカワ文庫で読了。
Jackson2回目の登場。「事務員」と訳されていますが原文ではlaw clerk(弁護士の助手、書記、事務員、法修習生などの意味)と表現されています。(前作ではyoung lawyer) 見張りや尾行もこなしており、後年の「前例至上主義者」の弁護士とは別人のような活躍。受付のスミス嬢と呼ばれた女性は、この作のみの登場。ブラックストーンの大理石像(お気に入りの帽子掛け)が初登場。物語の舞台がカリフォルニアの実在の地名(ハリウッドとサンタ バーバラ)なのはシリーズ初。謎がうさんくさくて(夢遊病って…)メイスンの行動や策略も控えめ。ホルコムやバーガーとの掛け合いも低調。ちょっとヒネリの効いたネタですが…
なおサッジャー博士の「夢遊病と月光」Sleep Walking and Moon Walking: A Medico-Literary Study by Dr. J. Sadger of Viennaは架空の書物ではなく、独初版1914年、英訳1920年の実在本。

No.2 7点 了然和尚
(2015/04/09 19:47登録)
たいへんすっきり仕上がっていて、秀作だと思います。メイスン物は1作目から順番に読んできましたが、ベストかも。本作では法廷が重要な舞台で(意外とこれまでは、法廷シーンは少ない)、得意の寝技も封じられたりします。夢遊病者の姪が機会と動機が十分で、怪しすぎるのですが、ひと捻りあります。しかし、結末の文章があっさりすぎて、その分、よくできてるなと思うわりに読後の印象が薄いですね。

No.1 5点
(2010/08/25 21:41登録)
夢遊病中の人による殺人は、法的にどうなるのか?
冒頭のつかみはそういうことですが、その夢遊病者はさまざまなトラブルに巻き込まれていて、メイスンがそれらすべての問題にどう決着をつけていくかというのが見所です。最初から悪役はやはり完全に悪役(真犯人と言う意味ではありません)であるのは、時代劇の悪代官と同じいかにものワン・パターン。
最も意外なのは、やはりしまい込まれていたナイフがどのようにして凶器として使用されるに至ったかという点ですね。犯人が疑いを受けないようにと画策したトリックも、現実には危険な感じがしますが、読者をだますという意味では悪くありません。
ただし、メイスンが途中で凶器と同じナイフをたくさん購入するのですが、これが結局利用されないままなのは、作者が何か勘違いしたのでしょうか…

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