home

ミステリの祭典

login
彼女がエスパーだったころ

作家 宮内悠介
出版日2016年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 よん
(2023/06/12 13:11登録)
サル学、超能力、脳科学、終末医療、信仰などを真面目に「疑似科学」視点で描いた短編集。
ミステリタッチを装いながら「人間」という迷宮に入り込む。本書の中心にある一編は傑作。「ありがとう」と、水に声をかけるとそれが伝わり、水が浄化される。その現象を利用して、海上型原発の事故に頭を悩ます日本を救おうとする科学者の企み。
本書全編を通じて浮き彫りになるのは、集団と個の境界の限界、「伝わる」ことの怖さ。どれも荒唐無稽な設定だが、今の日本の未来なら、ありうる話。作者の予知能力かもしれない。

No.1 7点 八二一
(2020/12/08 15:00登録)
もともと持っている、どこか渇いた文体と疑似科学を取材するという題材が程よく合わさって生まれた妙な迫真性が、強烈に記憶に残った。

2レコード表示中です 書評