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ミステリの祭典

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風が吹く時
ぺディクルー弁護士

作家 シリル・ヘアー
出版日1955年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2016/08/15 08:44登録)
(ネタバレなしです) 9作しか書かれなかったヘアーの長編はマレット警部単独作品が3作、ペティグルー単独作品が2作、両者の共演作が3作、非シリーズ作品が1作という内訳ですが1949年発表の本書はペティグルー単独作品です(ペティグルーシリーズとしては全5作中の第3作)。ヘアー得意の法律知識に加えて音楽知識も要求されていますがとっつきにくさは意外となく、個性的な登場人物や警察に配慮してでしゃばるまいと苦心するペティグルーの描写などで読ませます。物語の締めくくりもなかなか味わいがあります。ハヤカワポケットブック版は半世紀以上前の1955年翻訳なのでそろそろ何とかしてほしいなというのも正直ありますけど。なお英語原題は「When the Wind Blows」ですがどこかの書評サイトで「Wind」を「風」と訳した日本語タイトルは誤訳で、本書での「Wind」は「管楽器」を意味していると指摘されていましたがなるほどと思いました。

No.1 6点 kanamori
(2010/04/18 18:45登録)
ペティグルー弁護士シリーズ第3作。
前作では「法の悲劇」のマレット警部と共演していますが、今回は単独で、地元の管弦楽団コンサート中の殺人事件に関わります。事件の解決そのものより、登場人物とのユーモラスな掛け合いを楽しむ典型的な英国新本格ミステリですが、その言動の中に伏線が張られていたり、動機が法律がらみである点など、いかにもヘアーらしい佳作でした。

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