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ミステリの祭典

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鱈目講師の恋と呪殺。桜子准教授の考察
桃沢桜子

作家 望月諒子
出版日2015年07月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2023/04/13 10:16登録)
 森博嗣の描く閉鎖社会としての大学をもう少しコミカルにした感じ? ロジカルな謎解きでは全然なく、寧ろホラーに近いのでは。飲み会のエピソードはひどい。きちんと言えばいいものを。否応なく共犯者にされた周囲はいたたまれないだろ。(金が全てではないにしても)授業料を払う側に対して、教える立場でそんな気分的理由による拒否権があるのか。

No.1 5点 Kingscorss
(2020/11/11 14:42登録)
前作同様に学園で起きた怪事件を桃沢桜子とそのラボ生たちが解決するシリーズ第二段。今回は怪事件がもう日常の謎のレベルを超えてて完全に事件になってます。

このシリーズは基本的に桜子准教授の視点で話されているので、キャラクターを際だたせるために文体にクセが強く、読んでて不快になってくる人もいるかもしれません。自分は特に気にしてなかったんですが、前回に続いて二冊目なので、流石にお腹いっぱいで途中で読むの辛くなって、早く普通の落ち着いた文章読ませてくれ…ってなりました。

ミステリー的には前回同様大したものではなく、犯人とかは最初からひねりもなくすぐわかるので面白味は薄いかもしれません。ただ、このシリーズは謎とかミステリーとかではなくキャラクターものなので、作中の登場人物が活き活きと動く様を楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれる作品だと思います。

それを踏まえた上でですが、今回は主役である桜子准教授が語り手の役目以外ではかなり空気な存在です。考察も最後少しまとめただけで大したことはしてません。と、いうか前回と違い仕事(大学関係、翻訳副業ともに)してる描写がほぼないです。語り手として存在してるだけであり、その語り口に万人受けしないアクというかクセがあり、どちらかといえば全体に展開がのろいので読んでて最後の方は疲れてくるんです…

ただ、最後の五〇ページぐらいは展開も早く、疾走感もあって少し持ち直します。ラノベチックですが、まぁキャラクターものとしては悪くはなく、ページ数も250ページぐらいでサクッと読めるし、前作が気に入った方はこちらも楽しく読めるんじゃないでしょうか。難しいミステリー読んで頭が疲れているときに読むのにちょうどよかったです。

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