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ミステリの祭典

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亡者は囁く
私立探偵・槇野康平&刑事・東條有紀

作家 吉田恭教
出版日2016年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/07/26 22:01登録)
元刑事の槇野康平は鏡探偵事務所で働く調査員です。その意味ではコンチネンタル・オプのタイプ。本作はそのシリーズの第2作です。彼は刑事時代には捜査四課、暴力団関係の部署にいた…と言っても、ハードボイルド的な感じはほとんどありません。暴力行為も辞さないのはもう一人の主役、「恐ろしく危ない美形の女刑事」東條有紀の方で、本作では第2章から登場します。
プロローグが25年前の出来事と、5年前の殺人事件のもの、2つあります。25年前に偶然出会った女を探してほしいという、盲目のヴァイオリニストからの依頼を受けて、鏡事務所で調査を始めると、5年前の事件とのつながりが見えてきて、という筋書きは、よくできています。人を踊らせるトリックの原理はシンプルで意外性がありますが、実現のための細かい手順が少々煩雑です。
なおタイトルの意味は、殺人事件がほぼ解決した後で明らかになります。

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