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ミステリの祭典

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田崎教授の死を巡る桜子准教授の考察
桃沢桜子

作家 望月諒子
出版日2014年04月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2023/03/09 12:07登録)
 今までの作品とは随分違う。森博嗣の水柿君シリーズみたい。謎や物語の本筋より、脱線(とも言い切れないか?)する部分の方が面白い。
 それなりの年齢の作者の、若い世代に対する理解と疑問と羨望が反映されている、と見えるようにわざと書いている気がする。桜子のキャラクターも微妙に批評性が滲んでいるし。
 犯人(と言っていいのかな?)の出番が少ないので、明らかになっても “誰?” な状態。花瓶を落としたことは認識したのに、片付けどころか状況確認すらせず帰っちゃうのは如何なものか。

No.1 6点 Kingscorss
(2020/11/04 19:54登録)
望月諒子さんのラノベチックなライトミステリー。桃沢桜子准教授のラボと関わりある田崎教授の事故死と、昔からある七不思議的怪事件を結ぶ日常系ミステリー。

ラノベチックといってもやや癖が強いながらも筆致はきちんとしており(腐葉土の著者だから当然)、チャラチャラした恋愛要素も皆無で読みやすく、ページ数も少ないのでサクッと読めます。ミステリーの内容的には薄味ですが、桜子准教授のキャラクターが活きており、なんとなく生きてきてなんとなく今の地位についてしまって、なんとなく仕事をこなしていて、なんとなく独り身の感じがよく出ており、最後まで楽しく読ませてもらいました。

ミステリー部分や結末は日本のテレビドラマみたいな感じなので、過度に期待して読むとがっくりくるかもですが、自分の大学時代を懐かしむことができたのを加点して6点で。

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