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ミステリの祭典

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私の中にいる

作家 黒澤いづみ
出版日2020年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2020/11/03 16:43登録)
 10歳の少女、羽山萌果は、自分を疎んじる母親からの虐待を受ける中、自己防衛のために殺してしまった。児童自立支援施設に入所させられた萌果は、指導員たちに更生に向けた指導を受けることになるが、学校在学中は「無口で内気な子」だったはずの萌果が大人びた理屈で反抗ばかりする問題児に。萌果の内面で何が起こっているのか…別の施設に移り、少しずつ心を開いていった萌果が語った驚きの内容。

 このテの題材を扱ったものはこれまでにもごまんとあるが、今までにない切り口で仕掛けられている面白さがあった。ただ、萌果の内実が明らかになってからの後半はある意味順調な展開で、間延びした感もあった。実吉野学園の指導員、齋藤の価値観・考え方が興味深く、物語に深みを与えている。

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