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ミステリの祭典

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空想クラブ

作家 逸木裕
出版日2020年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2022/08/09 15:13登録)
吉見駿は、祖父から特殊な能力を授けられた中学生。ある日、「空想クラブ」というグループを作った仲間たちの一人である真夜が溺死した。だが葬儀の帰り、駿は河川敷で真夜の姿を目撃する。彼女は死の瞬間にある謎が気にかかったせいで成仏できず、その場にとどまっているらしい。
駿は、「空想クラブ」の元仲間たちに声をかけ、真夜のために謎を解こうとするのだが、彼らにもそれぞれ事情があり、非協力的な態度を示す者もいる。また駿も、自分が果たして真夜の成仏を望んでいるのか、自身に問いかけざるを得なくなる局面に突き当たる。しかし、それらの障壁は、登場人物ひとりひとりが救いに到達するプロセスでもある。ファンタジー性の強い異色作だが、テーマ性とストーリー性の融合という点で完成度が高い。

No.1 5点 虫暮部
(2020/11/03 11:46登録)
 どうも駿クンは、“自分がこうしたい”ってことばかりで、他者にもそれぞれ気持や事情があると言うことを判っていないようだ。それが判らないのが青春かもしれないしストーリーの原動力になってはいるしギリギリセーフだけど、あまり好感の持てる主人公ではない。まぁ思い返せば逸木裕の作品はそんなのばかりで今更文句を言うのも変か。今回は特に合わなかったってことで。
 “駿が郷原に弟のことを密告した”とレナが疑う論理が良く判らなかった。“警察に”ならともかく。

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